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だらだら日記

基本的に結構カオスなつれづれ日記。同人耐性のない方はご遠慮ください。

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硝子の壁(00)

ブログ00小話6日目?ですか?
そろそろちゃんと真っ当ないちゃいちゃ話を書けやこらと脳内から自発的注文がつけられたので、ちょっといちゃついているアレティエです。
ぶっちゃけ、キスしてる話です。

昨日の続きを書こうとも少し考えたのですが、自重します。
あまりのミスマッチに自分がもう耐えられない……笑。
じゃあ、ならば何故昨日書いてしまったんだろうか。
それは、ヒミツです。
というか本当に毎日思いつきで書いているので! あは!


あ、今日も拍手いただいた方、ありがとうございました!
気力の源ですー!


   硝子の壁

キスの間も。
君は、薄い硝子一枚だけ向こう側にいる。

「ティエリア、眼鏡はずしちゃ、だめ?」
「……駄目だ」

そっと、唇同士を離しながら、硝子越しの紅い瞳に向けて訊ねかけると、キスの名残で少し柔らかくなっていた彼の目の光は、けれどその問いかけに不機嫌そうに鋭さを増した。
それは怖い、だけじゃなくて今は色っぽくもあって。
けれどただ嫌がっているだけじゃなくて、困っているようにも見える。
そう思ったアレルヤは、もう少しだけ訊いてみることにした。

「でも、邪魔、じゃない?」
「……細かいことを気にするな」
「そうかなあ……だって最中にフレームがぶつかってじゃま……」

アレルヤの言葉を遮るように、今度はティエリアの方から唇を重ねられて、その続きはどこかへと追いやられた。
余計な言葉こそが今は邪魔だとばかり。
それは今みたいな関係になる前の、他人との接触を嫌っていた頃のティエリアからすると考えられない位大胆な行動だ。
唇が触れ合う距離、頬や額も時折触れ合って、心地よい体温が伝わってくる。
アレルヤは自然と目を閉じた。彼の感触をゆっくりと味わう。
こうしてキスをするのも、何回目だろうか。
顔を、身体を寄せ合って、何よりも近い距離にいるはず、なのに。けれど、そこにはまだ、壁があった。
その邪魔になっているのは、薄い硝子。
こうしてキスをする時も、顔にぶつかって邪魔になっても、ティエリアはいつもかけている眼鏡を外そうとしないのだ。
そもそもティエリアは視力が悪いわけじゃない。ガンダムに乗る時には外しているし、それで何ら支障はないのだから。
だから、普段から身に着けている眼鏡は伊達眼鏡。けれど彼が、ティエリアが、意味のないものを身に着けるわけがないと分かっている。
だから。その眼鏡にも意味がある。
そしてそれからは、彼が周囲と、他人と一線を引こうとしている、そんな印象をずっと受けていて。それは、今も変わっていない。
確かに昔は、出会った頃は警戒されていたし、それから後もしばらく良い感情を向けられた覚えがないし、ティエリアは自分から他人と馴れ合おうとするような性格ではなかった。
けれど今は、ただの他人じゃないのに。
こうして、誰よりも近くにいるはずなのに。
それなのに、ティエリアは眼鏡を外そうとしない。外そうとするとこうして拒絶される。嫌がられては、無理にそれを奪うことも躊躇われた。
それは、わがままなのかもしれない。ティエリアを好きになって、ティエリアにも好きになってもらえて、キスを許されて、それだけで十分幸せなはずなのに、それ以上を望むのは。
それでも。
好き、という気持ちは、わがままなもので。
今はまだ押し留められているそれがいつ、硝子一枚の壁を飛び越えようとするのも、時間の問題のように思えるのだった。

~・~・~・~

「ティエリア、眼鏡はずしちゃ、だめ?」
「…・・・駄目だ」

アレルヤの無粋な問いかけに、ティエリアはさっきまでの心地よさの余韻を邪魔されたように感じて、どこか不機嫌そうな声でそう答えていた。
薄々、気付いてはいた。それを求める彼の様子に。
ティエリアとて、確かにそれを邪魔だと思わないこともなかった。いや、邪魔ではある。
けれどもう、彼の前で外すことなど考えられない。
度の入っていない眼鏡は、ティエリアにとって一つの壁だった。
それは必要以上に他人と係わることを拒絶する、壁。たったの硝子一枚、けれどそれを通すことで周囲と距離をおくことができる。
けれどその壁は、今は違う意味を持ち始めていた。

(こんなに心をかき乱されるなんて思わなかった)

ああ、確かに邪魔だとも。気が散ってたまらない。こんなもの取り払って、素直に心地よい触れ合いを思うままに貪りたいと――そう思ってしまう自分が、たまらなく嫌で、怖かった。
今のティエリアは、少しでも気を抜けば、ティエリア・アーデらしくなく、彼に溺れてしまうだろう。
だから、薄い、小さな硝子一枚。
それは最後の防壁なのだ。
万が一にも、心を全て彼に攫われないように。
みっともなくて、マイスターに相応しくない、そんな己の本心を押し隠すために。
それは、内側から崩されかけてはいるけれど、けれどまだ残る確かな彼の意地。

(彼を、好きになり過ぎないように)

だから、一枚の硝子の壁。
脆く儚いその壁が崩れるのは、もう少しだけ、後の話。

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