だらだら日記
基本的に結構カオスなつれづれ日記。同人耐性のない方はご遠慮ください。
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ポラリス(00)
ブログに00小話9日目?ですか??
アレティエです。
何となく雰囲気小説。
ちょっとつたない部分は後で修正入れるかもです。
あ、今日も拍手いただいた方ありがとうございましたー!
アレティエです。
何となく雰囲気小説。
ちょっとつたない部分は後で修正入れるかもです。
あ、今日も拍手いただいた方ありがとうございましたー!
ポラリス
「何を見ているんだ、アレルヤ」
「ティエリア」
ベランダに出て座り込み、柵にもたれかかっていたアレルヤは、その声に振り向いた。
ガラス扉を開けてベランダへと出てくるティエリアは、呆れたような表情で腕に毛布を抱えている。
「もう一時間になる。寒くはないのか」
「心配してくれたんだね。ありがとう」
言われて初めて寒さに気付く。
ここは今、寒い季節。しかももう夜も深い。
ちゃんと服を着こんではいるけれどさすがにそろそろ身体も冷えてきたかもしれない。
けれどそれに気付かないで、ティエリアが風呂に入って、プトレマイオスとの連絡を取ったりしている間、ずっとここに座り込んでいたことになる。
呆れたような息を吐いて、アレルヤの肩にティエリアは毛布をかけながら、自分もそれに包まり、隣に座り込んだ。
「空を。星を、見ているんだ」
夜空に浮かぶ、数え切れない光達。
冬の空は澄み渡り、遠い星々が輝く様は、まるで宝石箱を散りばめたようだ。
いつも自分達が乗っている艦も、あの中を泳ぎ渡っているのだと思うと、とても不思議に感じられる。
昔は、こんな風に夜空を見上げながら眠るときが多かった。
遠い空を、遠い星を見詰めながら、色々考えていた頃が、今では懐かしく感じられる。
あの頃は、自分だけだった。アレルヤとハレルヤだけだった。
今は、そうじゃない。こうして、傍にいてくれる人がいる。
「ティエリアは、星の名前とか、星座の名前とか知っている?」
あれ、とか。
一際特徴のある星を指差せば、少し目を細めてティエリアは答える。
「……北極星、ポラリスか。こぐま座のアルファ星」
「うん。地上から見て、ずっと同じ、北の天頂にある星。地上からは動かず見える星。昔、旅をする時には、あの星が頼りにされていたんだってね」
その他にもいくつか指し示してみる。ティエリアはその全てに答えてくれて、そして訝しげに首を傾げた。
「それが、どうした?」
「うん……僕らってちっちゃいなあって」
「……はあ?」
「ここからだとあんなに小さく見える星でも、実際には僕達よりもずっとずっと大きいんだよね。じゃあ、あの星から見たら、そもそもこの地球からしたら――僕達はどれほどのものなんだろう、って」
「そんなこと、考えてどうする」
「うん。どうにもならないよね」
あはは、と苦笑しながら、やっぱり寒いね、とティエリアへ身体を寄せる。
彼も寒いみたいで、毛布の中で身じろぎしながら、ぴったり身体をくっつけてきた。
「ねえ、ティエリア? まだ、中、戻らなくていい?」
「そのつもりで来た」
「え」
「……君があんな目で見ているから。邪魔をするつもりはない。ただ……見てみたかっただけだ」
「ティエリア」
「たまには、悪くない」
そう言って真っ直ぐに空を見上げる彼が、眩しく見えた。
それを見て、さっきまでぼんやりと考えていたことが言葉として思い浮かぶ。
――ティエリア。君が僕のポラリスなんだ。
ティエリアの生き方は、とても眩しくて。けれど揺るぎないものだから。
ぶれないティエリアは、ソレスタルビーイングそのものだから、戦うことに迷う自分にとっては時に道標のように感じられる。
けれどそのことを口には出さない。それを、彼に押し付けることはしない。
それに。
遠い、北極星ではなくて。
こうして、腕の中に抱きしめられる存在であってほしいと願うから。
いつまでも、ここにいて欲しい。
「アレルヤ? どうした?」
肩口にぎゅっと額を押し付けると、何か感じ取ったのかティエリアの不思議そうな声が聞こえた。
彼のぬくもりを感じながら、願うように、思う。
いつまでも、ここにいて。
僕だけの、眩い星。
「何を見ているんだ、アレルヤ」
「ティエリア」
ベランダに出て座り込み、柵にもたれかかっていたアレルヤは、その声に振り向いた。
ガラス扉を開けてベランダへと出てくるティエリアは、呆れたような表情で腕に毛布を抱えている。
「もう一時間になる。寒くはないのか」
「心配してくれたんだね。ありがとう」
言われて初めて寒さに気付く。
ここは今、寒い季節。しかももう夜も深い。
ちゃんと服を着こんではいるけれどさすがにそろそろ身体も冷えてきたかもしれない。
けれどそれに気付かないで、ティエリアが風呂に入って、プトレマイオスとの連絡を取ったりしている間、ずっとここに座り込んでいたことになる。
呆れたような息を吐いて、アレルヤの肩にティエリアは毛布をかけながら、自分もそれに包まり、隣に座り込んだ。
「空を。星を、見ているんだ」
夜空に浮かぶ、数え切れない光達。
冬の空は澄み渡り、遠い星々が輝く様は、まるで宝石箱を散りばめたようだ。
いつも自分達が乗っている艦も、あの中を泳ぎ渡っているのだと思うと、とても不思議に感じられる。
昔は、こんな風に夜空を見上げながら眠るときが多かった。
遠い空を、遠い星を見詰めながら、色々考えていた頃が、今では懐かしく感じられる。
あの頃は、自分だけだった。アレルヤとハレルヤだけだった。
今は、そうじゃない。こうして、傍にいてくれる人がいる。
「ティエリアは、星の名前とか、星座の名前とか知っている?」
あれ、とか。
一際特徴のある星を指差せば、少し目を細めてティエリアは答える。
「……北極星、ポラリスか。こぐま座のアルファ星」
「うん。地上から見て、ずっと同じ、北の天頂にある星。地上からは動かず見える星。昔、旅をする時には、あの星が頼りにされていたんだってね」
その他にもいくつか指し示してみる。ティエリアはその全てに答えてくれて、そして訝しげに首を傾げた。
「それが、どうした?」
「うん……僕らってちっちゃいなあって」
「……はあ?」
「ここからだとあんなに小さく見える星でも、実際には僕達よりもずっとずっと大きいんだよね。じゃあ、あの星から見たら、そもそもこの地球からしたら――僕達はどれほどのものなんだろう、って」
「そんなこと、考えてどうする」
「うん。どうにもならないよね」
あはは、と苦笑しながら、やっぱり寒いね、とティエリアへ身体を寄せる。
彼も寒いみたいで、毛布の中で身じろぎしながら、ぴったり身体をくっつけてきた。
「ねえ、ティエリア? まだ、中、戻らなくていい?」
「そのつもりで来た」
「え」
「……君があんな目で見ているから。邪魔をするつもりはない。ただ……見てみたかっただけだ」
「ティエリア」
「たまには、悪くない」
そう言って真っ直ぐに空を見上げる彼が、眩しく見えた。
それを見て、さっきまでぼんやりと考えていたことが言葉として思い浮かぶ。
――ティエリア。君が僕のポラリスなんだ。
ティエリアの生き方は、とても眩しくて。けれど揺るぎないものだから。
ぶれないティエリアは、ソレスタルビーイングそのものだから、戦うことに迷う自分にとっては時に道標のように感じられる。
けれどそのことを口には出さない。それを、彼に押し付けることはしない。
それに。
遠い、北極星ではなくて。
こうして、腕の中に抱きしめられる存在であってほしいと願うから。
いつまでも、ここにいて欲しい。
「アレルヤ? どうした?」
肩口にぎゅっと額を押し付けると、何か感じ取ったのかティエリアの不思議そうな声が聞こえた。
彼のぬくもりを感じながら、願うように、思う。
いつまでも、ここにいて。
僕だけの、眩い星。
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