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だらだら日記

基本的に結構カオスなつれづれ日記。同人耐性のない方はご遠慮ください。

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ピンク(00)

地味にブログ00小話連続更新3日目。いつまで続くか分からないけど週末休み終わるのから今日で終わりかも。
アレティエ前提ライル+アレルヤ小話です。
二期四話以降であり、なおかつライルは入りたてでCB事情知らない感じで。
ギャグです。多分。
ライル、いつもこんな扱いでごめんよ。
ぱっと思いついてしまった話です。

ライル・ディランディがプトレマイオスの食堂に足を踏み入れた時、そこには自分と同じマイスターが一人座っていた。
四年前から敵方の捕虜となっており、少し前に救出されたばかりの彼とはいまだ言葉を交わしたことは数少ない。
けれど残りの二人――刹那・F・セイエイとティエリア・アーデに比べれば『普通の話』ができそうな相手だと踏んでいた。
同じマイスターとして、お近づきになって悪いことはないだろう。
そう判断したライルは彼の方へと近付いていき、軽く手を上げながら声をかけた。

「よ、お疲れさん」
「あ、……ロックオン、お疲れ様」

自分のコードネームを呼ぶ前にあった一瞬の間は気にしないようにする。
ぶっちゃけ、もう慣れたものなのだ。先代のロックオン・ストラトス――双子の兄と比べられるのは。
この前も自分と兄を重ね合わせていた少女に現実を教えてやったばかりだ。我ながら上手いやり方ではなかったと思うけれど、それでもあの効果は覿面であったらしい。

「確か、シミュレーションだったんだよね。ガンダムにはもう慣れた?」
「あー、まあな。教官殿が厳しくしごいてくれるからなー」
「あは、ティエリアらしいね。それだけロックオンを気にかけてるんだよ。羨ましいな」
「そうか?」

話しながらも彼、アレルヤ・ハプティズムは、目の前に広げている紙媒体のパンフレットに目を戻した。
横目で覗くとちらっと見えたのは可愛らしいパステルカラーの群れ。帽子やマフラー、そのほか小物類が掲載されているようである。
しかし、それはこの大男にはあまり似合わないだろうと思われた。
それに、さっき声をかける寸前に見えた幸せそうな顔は、自分のものを見ているというより、むしろ。
ぴんときたライルは、軽く鎌をかけてみることにした。

「何だ何だ、彼女へのプレゼントかい?」
「えっ」

一見強面のマイスターは、しかしその指摘に驚いた顔をすると、純朴そうに頬を赤らめた。
ビンゴかよ。全く羨ましいことだねえ。ていうかこんな組織にいて彼女とかできるもんなのか?
それこそ素朴な疑問をライルが浮かべている間にも、アレルヤは恥ずかしそうにこくんと頷いた。

「おっマジで?」
「か、彼女って言うか……ええと、好きな人なんですけど」
「何回りくどい言い方してんだよ! 相手はやっぱりこの組織なのか?」
「そう、ですね。僕はこの他の場所のことはあまり知らないので」
「……ふうん」

結構ちょろいな。
こいつがマイスターの中では一番口が軽そうだ、と頭の中にメモしながら、ライルはもう少し好奇心のままに踏み込んでみることにした。

「もしかして、この艦に乗ってんのか?」
「えっ……」

この反応、またしてもビンゴ、か。
分かり易過ぎる位分かり易い。
これがこの秘密めいた組織の中核メンバーになるとは、結構お気楽なもんだな。
ちょっとばかり呆れた気持ちになりながら、再度アレルヤが頷くのを見る。いい年こいた男なのに何か無駄に動作が可愛いので一瞬どつきたくなった。

「四年振りだから。前のトレミーにあった私物とかは全部なくなっちゃったし。だから何か送りたいなって思って」

それはそれは。こいつは結構独占欲の強いタイプらしい。
そんなこと考えているとはおくびにも出さず、ライルは彼の視線の先を追った。

「で、何をさっきから真剣に見てんの」
「……やっぱりピンクかな、って思うんです」
「へ」
「昔から、ピンクをよく身に着けていたから。でも、だったらあえて別の色の方がいいのかなあとも思って」
「ああ、そういうことか。へえ。ピンクがよく似合う、彼女さん、か…………って……」

ピンク。ピンクが似合う、この艦のクルー。
そこから瞬間的に思い当たった『アレルヤの彼女』の正体に、ライルは内心動揺した。
……いや、待て。
あの子は兄さんが好きだったはずで。他の奴と付き合うような感じでもなかったし。
いやでもこいつ、彼女、じゃなくて、好きな人、って濁した言い方してたし。
いやまさか。
その時、ライルの脳裏に思い浮かんでいた『ピンクが似合う彼女』は、先だって自分が嫌がらせのようにキスをした相手で。
別にアレルヤはそのことを知らないし、恋人じゃないならそれはこっちと彼女との問題で、別に後ろめたく思う必要はないのだが。
しかし、こうして『彼女』のことを話すアレルヤが、本当に幸せそうな顔をしているから、なけなしの良心とやらが、少しだけ、痛んだ。

「? どうしたんですか?」
「え、あ……いや。ピンクな、いいんじゃねえの。きっと似合うぜ? 本人がよく着てる色が一番無難だろ」
「うん? ……そうだね。ありがとう」
「いや、別に礼には及ばねえぜ! それじゃな!」
「あ、ロックオン……?」

それを自分が贈ることを想像したのか、ふわりアレルヤが微笑むと、何だかいたたまれないような気がしたライルはとっととその場から離れることにして、適当に適当なことを言って話を切り上げて逃げるように食堂を出ていってしまった。

「結局、何をしに来たんだろう……」

食堂に一人残されたアレルヤは不思議そうに首を傾げたが、すぐに頭の中は愛しい恋人のことでいっぱいになるのであった。



そして、アレルヤが眺めていたパンフレットの『ピンク』を、自分の予想外の人物が持っているのを見たライルが自分の思い違いに気付き、驚き、何だかやるせない気持ちになるのはもうしばらく後の話である。



(ちょっとしたミスディレクションでした)
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