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だらだら日記

基本的に結構カオスなつれづれ日記。同人耐性のない方はご遠慮ください。

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いいにおい(00)

昨日に引き続き、アレティエ小話?です。
やっぱりノリと勢いの話。
ノリと勢いで読んでください。
おかしい所は随時訂正入れていきます。

「洗濯物のにおいって、いいよね」

アレルヤが唐突に切り出したのに、ティエリアはまたか、と溜息を吐いた。
それまでと脈絡のない話を、しかも大して重要性もない話を思いついたままに話し出す。大抵それはティエリアにとっては無駄話に過ぎないのであるが、アレルヤのその傾向には苛立ちながらも慣れてきていた。
とはいえ、今回はどうにも意味不明な話をしようとしているらしい。

「宇宙だと、どうしても乾燥機を使うから無味乾燥な感じになってしまうけど、地上ならば、天気がよければ洗濯物、外に干せるじゃない。そうするとね、洗剤のにおいと、それとお日様のにおいがして、何だか幸せな気分になれるんだ……って、今回地上に降りて改めて思ってね」

ほっこり、笑顔でアレルヤはそこまで言ってのけた。
しかし、やはり何のことだか分からないティエリアは、着ているシャツの袖を鼻先に持ってきて、少しだけにおいを嗅いでみる。これといって、目立つ匂いはしてこない。少なくともいいにおいとやらではない。
そんな仕種をアレルヤは目を細め見て、小さな子供を見るような顔をしたので、気付いたティエリアはむっと手を下ろして彼を睨みつけた。
しかし睨まれることにも悲しいかな慣れてしまったアレルヤは、表情を変えずにふっと笑った。

「ティエリアが今着ているのは、あっちから持ってきた服でしょう。洗濯して、外に干した服じゃないと分からないと思うよ?」
「…………」

そもそもティエリアの活動の拠点は宇宙だ。
そうでなくともティエリアはこれまで地上に降りた時は組織の施設に滞在し、そこで全ての衣類のクリーニングを頼んでいるため、洗濯したものを外に干すなんて経験はなかった。
だから。太陽の下に干した洗濯物のにおいなんて、知らない。

「外に干すなど不衛生だ」
「えー……そうかなあ……」
「君は気にしなさ過ぎる」
「いや、ティエリアが気にし過ぎるんだと」
「何だと」
「……うーん……あ、着いたよ」

言うとアレルヤは目の前の建物へと足を向けた。
その背にティエリアからの訝しげな視線が突き刺さるのを感じながら、自分の部屋へと階段を上る。勿論エレベーターも存在するが、これも一つのトレーニングである。
ここはアレルヤの地上での隠れ家の一つ。
そして今回同地域での地上待機を申し付けられたティエリアは、ホテルなどではなくこの部屋に、アレルヤと一緒に滞在することになっていた。
一足先に地上に降りていたアレルヤはそれを聞いて密かに舞い上がった。
勿論伝えてきたスメラギの前でそれを表に出すことはしなかったけれど、好きな相手と二人きりで一つ屋根の下、そんな状況を喜ばずして何としよう。
しかし、舞い上がったその次にはあまりの事態に焦り出し、脳内でハレルヤと口喧嘩を交わし、ぐるぐるした挙句何とか落ち着いてティエリアを迎えに行った、その帰りである。

「それじゃ、どうぞ」
「……ああ」

部屋のドアを開けてティエリアを招き入れる。他人の部屋に泊まるなんて初めてだろうにやけに堂々と中に入っていくティエリアの姿は、まるでこの部屋の主であるかのようだ。
持ってきた荷物を預かり、椅子を勧めてお茶を出す。
態度に出さないように気を張っているようだったが、嫌いな地上の知らない街に降りたティエリアは、やはり疲れているようだった。
ここでは、気を緩めてくれるといいのに。
ミッションを前にしての待機状態とはいえ、指令があるまでは、この部屋で自分の前で位は。
そう期待し、けれどあのティエリアだしと思い直し、その様子を見ていたティエリアから「うっとうしい」と端的な感想を口にされる前にアレルヤは「あ、そうだ」思いついたようにベランダへと足を運んだ。
そろそろ午後三時になる。よい頃合だろう。
そうしてベランダから戻ってきたアレルヤが抱えていたものを見て、ティエリアはぽつりと一言嫌そうに、

「不衛生……」
「いや、大丈夫だから」

これ位で不衛生とか言うなんてどれだけ箱入りで育ってきたんだろう。なんて改めて疑問に思うほどにティエリアは本当に嫌そうだった。
それに苦笑しながら部屋を横切り、取り込んだばかりの洗濯物をソファの上に置いて、ふと思いついてアレルヤはタオルを一枚だけ手に取った。

「ほら、」
「……これをどうしろと」
「取り込んだばかりだし、今日はいい天気だったから、いいにおいだよ」

鼻に近づけると太陽の良いにおいがする。
ね?とにっこり笑ってみせれば、ティエリアは難しい顔をした。けれどすぐさま拒絶したりはしない。
内心では嫌悪感と、好奇心とがせめぎあっているのではないか。
アレルヤはしばらく粘ってみることにした。
やがて、好奇心の方が勝ったのか、においを嗅ぐ位ならばいいだろうと思ったのか、ティエリアはタオルに顔を寄せてきて。

……あ。

自然と自分の近くに身を寄せることになったティエリアに、アレルヤは少しだけ緊張して。自分の鼻先に彼の後頭部が近付き、そして離れていくのを身を固くして見詰めてしまっていた。

「確かに、不思議なにおいがする。良いにおいかは分からないが、嫌では、ない。……どうした?」
「え、あ、いや、その」

不思議そうな目で見られて、どぎまぎしてしまう。
ティエリアから身を寄せられて、鼻先に漂ってきたのは多分、彼自身のにおいだ。
香水をつけることもないティエリアだけれど、それを何より好ましく感じてしまって。
……どうしよう、ハレルヤ。
これからしばらく、一緒に暮らすのに。
こんなんで僕、身がもたないんじゃないかなあ。
片割れからは、呆れたような声だけが返されてきた。

(ノリと勢いで自分でも何を書きたかったのか不明ですが結局はティエリアいいにおいみたいです)
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