だらだら日記
基本的に結構カオスなつれづれ日記。同人耐性のない方はご遠慮ください。
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背伸びの距離
書きたいときに書きたいものを書くがモットーです。
ということで、ちょっと前からぽつぽつ呟いていた感じで。
今日は、幻水ティアクラより、シャバヒナです。
……シャバ←ヒナ?です。
どんなもんだか、とりあえず試行錯誤で書いてみました。
主リウは影も形もございませんです。ご注意をば。
ヒナが可愛いっす。
ということで、ちょっと前からぽつぽつ呟いていた感じで。
今日は、幻水ティアクラより、シャバヒナです。
……シャバ←ヒナ?です。
どんなもんだか、とりあえず試行錯誤で書いてみました。
主リウは影も形もございませんです。ご注意をば。
ヒナが可愛いっす。
背伸びの距離
本棚に向けて、手を伸ばす。
……届かない。
うんと、うんと手を伸ばす。
けれど、まだ。
それでも、精一杯の背伸びをして、さっきよりもずっと手を伸ばして。そうしたら、指先がちょっとだけかすった。
(もう少しですわ)
そう、ほんのもう少し。
だから私はさっきよりもずっと背伸びをして、指先に本の背表紙を引っかけて。
けれど目的の達成に喜ぶよりもずっと先に、衣服の裾を踏みつけて、転倒してしまっていた。
「きゃっ」
「おっと!」
危うく床に落ちかけた私の背中を、支える腕があった。
硬直していた身体の中で、それでも何とか首を動かすと、そこには人の良さそうな男性の顔。
彼の腕が、私の身体を支えている。
一気に顔が熱くなるのが分かった。それと同時に、私は慌てて言い放っていた。
「は、離してくださいまし、シャバック!」
「はいはい。その調子なら、大丈夫だな、ヒナ」
私の主張に彼はあっさりと私から離れて行った。小さな子供の癇癪を見るみたいな微笑が悔しかった。
けれど助けてもらってお礼より先にあんなことを言ってしまうなんて、冷静に考えてみるとどうしたって私の癇癪にしか思えないのだから、余計悔しい。
私はきちんと自分の足で床に立って、けれど背中に残る腕の感触の余韻に、認めたくないけれど鼓動が乱れていた。
(一体、いつから私を見ていたのかしら)
こんな書庫の奥の方に、こんなにタイミングよく現れるわけがない。だから、きっとしばらく前から見られていた。背伸びしている姿を。
そう思うと恥ずかしくなる。
けれど彼はそんなこと気にしない様子で、本棚から一冊の本をひょい、と取り出した。
そして私に、渡してくる。
「ほら。これだろ、取りたかったの」
「……ありがとうございます」
「な、あっちに台があるだろ? どうして使わなかったんだ?」
その声に、責めるような響きはなかった。ただ、諭そうとする響きがあった。
けれど私にだって意地がある。
子供みたいなこだわりでそれを選択しなかったことを、自分の口から言いたくなんてなかった。
先月までは、届かなかった。
けれど今は、触れることが出来た。
だから、届くと思ったのだ。
(……また、1センチ。背が伸びましたのよ)
1センチ。縮まったはずの距離の分だけ顔を下げて彼を見上げて。
けれど、全然変わっていないように見える、距離。
悔しくて、寂しくて。
だから、笑ってお礼を言うこともできない。
憎まれ口を叩いてしまう。
「あ、あなたには関係ありませんわ!」
「あのままだったら転んでいたやつには言われたくないな?」
「うっ……それは、その……それは、感謝していますわ……」
思わず言いよどんでしまう。
けれど彼は意地悪くそれを追求してくることなんてなくて。
代わりにぽんぽん、と優しく頭を叩かれた。
「無理するなよ? そんな背伸びしなくても、ヒナはすごいんだからな?」
「――っ余計なおせっかいですわ! わたくしを子供扱いしないでくださいまし!」
大きな手のひらを避けるようにして、また、こんなことを言い返してしまう。
悔しい。
背伸びしなきゃいけない距離が。
背伸びしても、届かない距離が。
とてもとても、悔しくて。
――とてもとても、寂しかった。
(ヒナが可愛いです。という思いの暴走の結果でした)
(二人とも口調その他色々不安ですが、とりあえずシャバヒナってこんな感じかしらん)
本棚に向けて、手を伸ばす。
……届かない。
うんと、うんと手を伸ばす。
けれど、まだ。
それでも、精一杯の背伸びをして、さっきよりもずっと手を伸ばして。そうしたら、指先がちょっとだけかすった。
(もう少しですわ)
そう、ほんのもう少し。
だから私はさっきよりもずっと背伸びをして、指先に本の背表紙を引っかけて。
けれど目的の達成に喜ぶよりもずっと先に、衣服の裾を踏みつけて、転倒してしまっていた。
「きゃっ」
「おっと!」
危うく床に落ちかけた私の背中を、支える腕があった。
硬直していた身体の中で、それでも何とか首を動かすと、そこには人の良さそうな男性の顔。
彼の腕が、私の身体を支えている。
一気に顔が熱くなるのが分かった。それと同時に、私は慌てて言い放っていた。
「は、離してくださいまし、シャバック!」
「はいはい。その調子なら、大丈夫だな、ヒナ」
私の主張に彼はあっさりと私から離れて行った。小さな子供の癇癪を見るみたいな微笑が悔しかった。
けれど助けてもらってお礼より先にあんなことを言ってしまうなんて、冷静に考えてみるとどうしたって私の癇癪にしか思えないのだから、余計悔しい。
私はきちんと自分の足で床に立って、けれど背中に残る腕の感触の余韻に、認めたくないけれど鼓動が乱れていた。
(一体、いつから私を見ていたのかしら)
こんな書庫の奥の方に、こんなにタイミングよく現れるわけがない。だから、きっとしばらく前から見られていた。背伸びしている姿を。
そう思うと恥ずかしくなる。
けれど彼はそんなこと気にしない様子で、本棚から一冊の本をひょい、と取り出した。
そして私に、渡してくる。
「ほら。これだろ、取りたかったの」
「……ありがとうございます」
「な、あっちに台があるだろ? どうして使わなかったんだ?」
その声に、責めるような響きはなかった。ただ、諭そうとする響きがあった。
けれど私にだって意地がある。
子供みたいなこだわりでそれを選択しなかったことを、自分の口から言いたくなんてなかった。
先月までは、届かなかった。
けれど今は、触れることが出来た。
だから、届くと思ったのだ。
(……また、1センチ。背が伸びましたのよ)
1センチ。縮まったはずの距離の分だけ顔を下げて彼を見上げて。
けれど、全然変わっていないように見える、距離。
悔しくて、寂しくて。
だから、笑ってお礼を言うこともできない。
憎まれ口を叩いてしまう。
「あ、あなたには関係ありませんわ!」
「あのままだったら転んでいたやつには言われたくないな?」
「うっ……それは、その……それは、感謝していますわ……」
思わず言いよどんでしまう。
けれど彼は意地悪くそれを追求してくることなんてなくて。
代わりにぽんぽん、と優しく頭を叩かれた。
「無理するなよ? そんな背伸びしなくても、ヒナはすごいんだからな?」
「――っ余計なおせっかいですわ! わたくしを子供扱いしないでくださいまし!」
大きな手のひらを避けるようにして、また、こんなことを言い返してしまう。
悔しい。
背伸びしなきゃいけない距離が。
背伸びしても、届かない距離が。
とてもとても、悔しくて。
――とてもとても、寂しかった。
(ヒナが可愛いです。という思いの暴走の結果でした)
(二人とも口調その他色々不安ですが、とりあえずシャバヒナってこんな感じかしらん)
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