入稿してきました（６月三都新刊情報）

６月三都の新刊、入稿してきましたー！
とりあえず、今はサイト更新自粛中なので、新刊情報をここに上げておきます。

【6/7新刊予定】
「Can you celebrate ?」36P（オフ）　400円（予価）
ゲームから２年ほど後。それぞれ結婚の話が出てきたのが元で喧嘩してしまう主リウの話。

……タイトルはべったべたなのですが、中身は多分ご期待を裏切る感じじゃないかと！
とりあえず色々なキャラが書けたのが楽しかった！　そんな話です。
まだまだ色々試み中な感じ満載です。表紙とかも今回は色々お試しな感じです。どきどきどき。

ちなみに、サンプルは以下のような感じです。
……あんまりいいサンプルにはなっていないかもです。

＊　＊　＊　Can you celebrate ?　（冒頭部分より抜粋）　＊　＊　＊

　その日、ルオ・タウがいつもの生真面目な顔で告げてきた言葉は、リウにとってこれまでの生涯で一二を争うほど衝撃的なものだった。

 

「長。結婚してくれ」

「……はいぃ？」

 

　夕食時の食堂の喧騒の中、やけにはっきり聞こえてきたその一言に、リウはまず自分の耳を疑った。

　当然である。ほら、隣で食事を取っているマリカだって、目を丸くしているではないか。フォークから食べかけの鳥肉がぽとりと落ちたけれど、そんなこと気にしてなんかいられない。

　いやいやちょっと待て落ち着こう。もしかしたら聞き間違いの可能性もある。

　そう思い、もう一度、さっきの言葉を脳裏に反芻する。

　しかし耳の奥にしっかり残っているルオ・タウの抑揚に乏しい低音は、確かに『ケッコンシテクレ』と響いており、それを熟考するよりも早く動揺したリウは、がたがた音を立てて椅子から立ち上がって、とりあえずルオ・タウとの距離を取った。

　その挙動不審な動きをルオ・タウは変わらぬ真面目顔で眺めていた。この若き長は時々不思議な動きをするなとか思っているに違いない。

　彼のこの冷静さは頼りになることも多いが、しかし、今はその真面目くさった顔が、むしろ怖い。

「いや、あの、ルオ・タウさん？？　い、いやあ、オレ、まさかそんな風に思われてたとは知らなかったと言うか、何つーか、その……ゴメンナサイ」

　オレは貴方のことそーいうふーには思ってませんとか何とかかんとか、目を逸らし、及び腰になりながら告げていると、ルオ・タウは怪訝な顔をした。そしてしばらく何やら思案していたかと思うと、彼は改めて口を開いた。

「？　長は何か思い違いをしているようだ」

「へ」

「そうでなければ、私がそのように謝られる筋合いはない」

　思い違い？

　その指摘にリウは冷静さの欠片を取り戻した。蹴倒した椅子を立て直しながら、そろそろと元の位置に戻る。

　そしてルオ・タウの言葉に耳を傾けた、が、彼の次の発言は、またしてもリウに衝撃をもたらしてくるものだった。

＊　＊　＊

※こんな始まりですがルオリウではなく主リウです。
※こんな始まりですがコメディではありません。