重ねた手と手（００）

PCのファイルを色々探っていたら発見した、アレティエ（のつもりの）短文。
続きを書くつもりはないけれど、何だかもったいないからここにリサイクル。
た、多分、これまでに使ったことのない文だと思いますが、どっかで見たことがあったら指摘いただければ……と思います。

アレティエと思ってお読みください（裏を返せば、アレティエ以外にも応用できるのですが；）

出撃前のコンテナで。
隣に並んだ君の指に指を絡めた。
パイロットスーツ越しでは体温は伝わらない。
だから、その存在を確かめるために指に、力をこめる。
君の方からも握り返される。
大丈夫だ、と言っているように思えた。
僕らの間に流れるのは、ただ、沈黙だけ。
祈りや希望。
そんなものを口に出してしまうのは、僕らの所業を振り返ってみるに憚られるから。
唇を重ねるには不謹慎に過ぎるから。
だから、少しだけ。
あと、少しだけでいいから、と。

出撃までの、ほんの少しの時間。

重ねた、手と手。


（３月２２日１６時頃……二期２４話の直前に書かれていた短文でした）
（あ……もしかしたらサイト掲載の「寄り添う二人」のイメージで書いたのかもしれない、と今気付きました）
（でも違うかもしれない・笑）