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だらだら日記

基本的に結構カオスなつれづれ日記。同人耐性のない方はご遠慮ください。

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迷走

7話を受けて、アレティエ&アレマリ前提の小話。
上記三人を見守るトレミークルーの話。
2個前の記事にある「しあわせに」から一応続いているのだと思います。
が、ここからさらに続くかは分かりません。
書いている本人が一番ぐるぐるしています。

トレミーの皆、ティエリアのこと大切に思っています。そこんとこは都合よすぎです。

以上、またしても、心の広い方は、つづきへどうぞ。

ロックオン・ストラトス、こと、ライル・ディランディが食堂に入ったとき、そこには一組のカップルがいちゃいちゃ食事をしていた。
入ってすぐ、少し違和感があったのは、その片方が、数日前と別の人間になっていたからで。
……ちょっと待て俺、数日前までの方がおかしかったんだからな。そう自分に言い聞かせなくてはならないほどにあの光景に慣れていた自分に頭が少し、痛くなった。
今、食堂にいるは、睦まじい様子のアレルヤ・ハプティズムとマリー・パーファシー。
はっきり言って、こないだまで敵同士で戦っていた相手が実は僕の大切な人でしたーなんて言って連れて来られた時には呆れる気持ちだったが、あそこまで潔く見せ付けられるとどうぞ勝手にやってくださいってなものである。純真な二人はそれはそれでからかい甲斐もあったし。
……ただ、ちょっとだけ引っかかるのは、やっぱり。
アレルヤ・ハプティズムとティエリア・アーデは恋人、なんだと、思っていたんだけどな。
ソレスタルビーイングに加入して以来、観察するまでもなく、二人がそういう仲なのだとライルは思っていたし、周りにいる他の人間も――おそらく本人達も、そう思っていた、はずなのだが。
それが、彼女が来て以来、ティエリアとアレルヤが一緒にいる所は見なくなった。
何やかやとティエリアの世話を焼いていたアレルヤは、今は何やかやとこの艦に来て間もないマリーの世話を焼いているし、その上自分は二人のキスシーンまで目撃してしまっている。あれは決定打だった。
それをからかい交じりに報告した時、ティエリアの顔からは血が引けて、けれど「……そうか」笑った顔が儚げに見えた。
以来、アレルヤの姿があるところ、ティエリアの姿は見えなくなっている。

(……あの教官殿も、人の子ってことかー?)

ぽりぽり、頬を掻きながら、『ロックオン・ストラトス』は食堂に足を踏み入れた。
彼らの関係がどうなろうと、自分にとっては関係ない。
とりあえず、今日もからかい甲斐のありそうな二人が、一緒にこちらを振り向いてきた。

 * * *

「ティーエーリーア、ちょっといいかしら! ドアを開けて頂戴!」

ティエリアの部屋の外からのスメラギの声に、「何の用ですか」冷たい声が返された。

「いいから! 開けて! これ、結構重いのよ……」

疲れた声を聞いて、渋々ティエリアはドアを開いた。
ドアの向こう、廊下には、スメラギがフェルトを連れて、ついでに大きな料理の皿を持って立っていた。

「一体、何をしようというのです」

ティエリアは疲れたように、呆れた声を出した。彼女達の考えなど、大方分かっている。

「貴方、ここしばらくちゃんと食事取ってないでしょう。だから持ってきてあげたのよ」
「ちゃんと摂取しています。いりません」
「どうせ携帯食ばかり、でしょ?」
「…………」

言い返す声はなかった。またしても疲れたようにティエリアは息を吐くと、「……勝手にしてください」と部屋に戻った。
遠慮なく、スメラギとフェルトはそれに続いた。

 * * *

「アレルヤ」
「どうしたの、刹那?」
「……いや」

刹那は何か言おうとして、珍しくはっきりしない様子で口を閉ざした。アレルヤは不思議そうに彼を見返した。
今、マリーはミレイナに連れられて何処かに行っている。久しぶりに会えたのが嬉しくて、ずっと彼女と一緒にいてしまったアレルヤだったけれど、マリーに女の子の友達が出来るのは吝かではない。彼女も、アレルヤと離れることは不安そうにしていたがそれでもミレイナの笑顔に笑顔を返していた。
だから、いってらっしゃい、笑顔で彼女を見送ったのだ。
そして刹那はそれを知っていて、久しぶりに一人になったアレルヤに話しかけたのである。
刹那としても、アレルヤが幸せなのはめでたいことだとは思う。
それでも、やはり、引っかかることがあったのだ。
そしてそれを自分が口にしていいものか――それがアレルヤの今の幸せに水を差すことになるのではないかと、刹那としては珍しく躊躇していた。
けれど。

「ティエリアとは、どうしている」

刹那は、改めて口を開いた。
アレルヤの顔が、悲しそうに歪んだけれど、それはもう覚悟していたことだった。

「……ずっと、避けられているから。あれから、話もしていないよ」
「部屋にいるだろう」
「……うん。でも、もう来るなって言われたから」
「………………」
「きっと、彼は僕のことなんか嫌いになったんだよ。だから」
「お前は」

馬鹿か! そう言おうとして刹那は言葉を失った。
アレルヤの拳が、何かを堪えるように握り締められていたのを見て。
違う。アレルヤは、分かっているんだ。
下手な言葉をかけようと、ティエリアを今以上に傷付けるだけだと。

「お前は、どうしたいんだ」
「……分からない。ただ、今は、マリーの傍にいたいんだ」
「ティエリアは」
「……分からないんだよ、刹那」

マリーを守りたい。
ティエリアも大切にしたい。
けれどその我が儘な二つの想いがそれぞれどんなベクトルのものなのか、共存できるものなのか、……自分自身でも掴みきれなかった。
だから、今は手の届くマリーと一緒にいる。彼女を不安がらせたくないから、笑いかける。そして、離れたティエリアには何も出来ずに。

「逃げているんだ、僕は」

その声がひどく苦しそうに聞こえて、刹那は何も言えなかった。
何も、言うことが、出来なかった。



(またしても続くか分からない書きなぐりです)
(みんながティエリアを好きすぎてごめんなさい)
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