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だらだら日記

基本的に結構カオスなつれづれ日記。同人耐性のない方はご遠慮ください。

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トライアングラー

昨日から書いてきたSS、ラストのお話。

7話とアレティエ前提で、ティエとマリー(とアレルヤちょっと)。

本当に、書きなぐりレベルです。

切なさはどこに行ったんだろう、そんな感じに仕上がっているような気がします……。

すみません!
18日pm23:40、でっかいミスを見つけたので修正&ついでにちょっとだけ加筆しました……!

落ち着きたい時に展望室に来るのは、最早癖のようなものだった。
そこに辛い思い出もあるけれど、それでも、ティエリアにとっては落ち着ける場所だった。
今は、窓の向こうに映るのは荒れ果てた地上の景色。
それを見て、己の役目を再び思い知ろうとするかのように、睨みつけるように風景を見た。
そこに微かな空気音がした。こんな時間にここに来るほど暇なクルーはいない、ということは。

「あ……」

部屋に入ってきたのは、今の所客人であるマリー・パーファシーだった。
ティエリアを見て驚いたような顔をした彼女は、それでも「失礼します」と姿勢よく中へ入って来ると、ティエリアの隣に並び立った。そして窓の外を見たきり自分を見ようとしないティエリアの顔を見上げると、おずおずと話しかけてきた。

「あの……お話させてもらっても、いいですか?」
「……僕と?」

正直な話。話したいことなんて、ない。
みっともない恨み辛みでも聞かせろというのだろうか。そんなもの、聞かれたくなど、ない。
そんな心の内が伝わったのか、彼女は少し眉根を寄せて、辛そうに頷いた。

「はい。……悲しい声が、聞こえたから」
「声」
「今も、聞こえています。脳量子波の影響で、伝わってくるんです、そういうものが」

貴方が、心の中で泣いているのが。
告げられたティエリアは勢いよく彼女を振り返った。
分かったようなことを言うな! そう、言いかけて。
けれど彼女の澄んだ瞳に出合って、言葉を失くした。

「アレルヤに、聞きました。貴方は大事な人なんだって。大切な存在だって。だから、避けられて、悲しいと……アレルヤはそう思っています。貴方も、そう、なんですね」

これは、私が勝手に感じたことなんですけど。
他人の心の内を勝手に明かした自分を恥じるように彼女は苦笑した。

「私が来たから、貴方はアレルヤを避けているんですよね。けれど、私は貴方に、ごめんなさい、とは言いません。アレルヤは私にとって大切な人だから」

そう、父とも慕った人の手を振り払ってまで掴んだ手だから。
大切な、同じ存在、もはやたった一人の、唯一の人。
その手を離すつもりはなかった。

「だから私は彼を諦めるつもりはないから、貴方に謝るのは失礼でしょう。……けれど、ありがとうとも、言いません。貴方にアレルヤを譲ってもらったなんて思いたくないから。だから。その……」

そこで彼女は言葉に迷うように口をまごつかせた。何を言うつもりなのか。
それを待つティエリアが焦れて先に口を開きかけた時、マリーはずいっとティエリアの方に顔を寄せて、

「頑張りましょう!」

その言葉に、それまでのティエリアのあらゆる覚悟が消し飛ばされた。

「……は?」

まさしく、ティエリアは、目が点、そんな状態だった。
その反応に顔を紅くしたマリーは、重ねて強く言い募る。

「だって、同じアレルヤを好きな者同士ですよ! 同じじゃないですか! だから、一緒に、頑張りましょう!!」

その言い草に虚をつかれたティエリアの、開いたままの口の端が、震えた。
そして。

「は、はははは……っ!」

一瞬ぽかんとしたティエリアは、腹を抱えて笑い出した。
何と言う、何と言う人の好いことだ! 流石はアレルヤの選んだ相手!
いっそ清清しい気分だった。
こんなに人前で笑うなんて、初めてかもしれない!
けれど笑われたマリーは、困ったように、傷付いたように顔を歪めた。

「な、何で笑うんですか?」
「君は、おかしなことを言うな……! 恋敵の僕を応援するとでも言うのか?」
「こい、がたき? …・・・そうなんですか?」
「違うのか?」
「分かりません」
「君はアレルヤを好きか?」
「勿論! 大切に思っています」

そして。

「私とおんなじに、アレルヤを、大切に想ってくれている貴方に、感謝を」

アレルヤ。
彼女の口がその名を――いいや、その聖句を、唱えた。
それは、厳かな響き。
何の欲もない、純粋な、感謝の言葉。
そう、『アレルヤ』は、彼女にとっては純粋な、欲と離れた、ものなのだ。
直感的にそれを悟ったティエリアは、己の欲深さを改めて思い、そして同時にアレルヤはどうなのか、そればかりが気になってくる。
そこに、丁度よく、己が名前に引き寄せられたかのように、ドアが開く音がして。

「マリー、こんな所に……っ!」

部屋の中にティエリアとマリーの姿を認めたアレルヤは、驚き固まった。
ティエリアを見るのは久しぶりだけど何て言ったらいいんだろうそれにマリーも一緒にいるし一体何を話して二人でどうして、え、え、え。
そんな思考は、脳量子波がなくともティエリアにさえ筒抜けで。
久しぶりにまともにアレルヤの顔を見ていたら、ふと、胸のつかえが消えた。
――ああ、まだ僕は、アレルヤが。
思うそれは、ただ単純な、こと。
それまでの葛藤も今は何処かに消えて、代わりにティエリアは軽く、微笑んで今の気持ちを口に出した。

「アレルヤ。僕は君が好きだ」
「え……」
「まあ……」

ストレートな言葉に、超兵二人は驚いた。アレルヤはより間抜けな顔になり、マリーは何だか嬉しそうに微笑んだ。

「だから、話しかけるくらいなら許してやる。ただ、やはり部屋には来るな。分かったな?」

高邁な言い草。久しぶりのティエリアらしい調子のそれに、アレルヤはぽかんとした顔をした。
そのアレルヤの顔がおかしくて、ティエリアとマリーはくすくす笑った。
置いていかれたような顔をしていたアレルヤも、最後には仕方ないように、笑っていた。

それは、何も、ここで完結することはなくて。
まだ、たゆたうばかりの。
動き続けている。
トライアングラー。

(決着がついているようでついていない話ですが、一応ここで区切りです)
(ギャルゲとか少年漫画的にアレルヤ両手に花でもいいよという境地です)(とりあえず、ティエとマリーに振り回されるといいと思います)
(アレルヤの心境をはっきり書ききらなかったのはわざとです。そこら辺はまだ深く書けるところじゃないので……)(はっきりしない感じなのは、そこがうやむやだからだろうとは思うけど!)
(マリーは私好みにアレンジされていると思います。が、ソーマでもマリーでも、世間知らずには違いないと思う……)(あと、ティエとは仲良くなれると思うの……)

(思いついてから一晩で自分の心境にも変化があったので、切なさが抜けてちょっと軽い感じになってしまったのが、残念なようなこれでよかったような……)
(ちなみに、タイトルは例のアレです。三角関係)
(王ロイリオの延々三角関係を書いてきた私には、落ち着けるフィールドでもあります……)
(でも、切ないけど)

一応、これで区切りとして、次は別バージョンで7話後も書いてみたいです。
あと、今後、本編関連話を書くときは、この三角関係うやむや関係で書くかもしれないし、アレマリははっきり家族愛で書くかもしれません。その時の本編次第です。
この、書いている本人の気分にまんまと左右された、浮き沈みの差が大きい話にお付き合いくださった方、すみません、ありがとうございました……!
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