だらだら日記
基本的に結構カオスなつれづれ日記。同人耐性のない方はご遠慮ください。
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幸せなだけの話をしよう。(00)
00、アレティエSS。
思いつき、雰囲気話。
タイトルが思いついて書き始めたのですが、タイトルからずれていった気がします……。
思いつき、雰囲気話。
タイトルが思いついて書き始めたのですが、タイトルからずれていった気がします……。
幸せなだけの話をしよう。
アレルヤ・ハプティズムはティエリアの手が好きなようだ。
今みたいに後ろからすっぽりとティエリアの身体を抱きこんで、互いの腕を合わせ手を重ねる。
彼の無骨な指はティエリアの滑らかな指を何回も辿り、時にぎゅっと指と指を絡ませて、そうして優しいキスを降らせる。
ティエリアとしては簡単に抱き締められる体格差に歯噛みしたのも昔のこと、今では背中を預けられる体温が何よりも心地良かった。
遠慮なく、身体を預ける。ふふ、と笑う吐息が耳元にかかった。
忙しい合間にぽかりと空いた、静かな時間。
性急に肌を重ねることもあったけれど、今はこうして穏やかな時間を過ごすことが多くなっていた。
「それでね、その道を登っていくと見渡せる景色が広がっていくんだ。どこまでも遠く、広く。僕はちっぽけな人間だけれど、世界はもっと広くて、大きくて」
アレルヤはティエリアを抱き締めながら、先だってまで自分が経てきた旅の道程を、思いつくままに語っていた。
大部分はティエリアにとってどうでも良いこと。
なのにアレルヤが語るから、つい耳を傾けてしまう。軽くじゃれあうような会話を交わしてしまう。
それも、嫌なことではなかった。
「そんなもの、ガンダムからいくらでも見下ろせただろうに」
「ううん、違うんだ。自分の足で登って初めて、実感できた。機体越しではわからない、色々なことが」
空の蒼さ、雲の白さ、風に動くこと。草いきれの、花の匂い、吹き抜ける風の爽やかなこと、踏みしめる土の柔らかなこと。
きっとティエリアの知らない様々なこと。
「行ってよかったって、思った。だから、いつかティエリアも一緒に行こうね」
ティエリアが嫌がることを分かっていてアレルヤは希望を述べる。
だからティエリアは無視して、代わりに自分から彼の手のひらに指を這わせた。指で短い言葉を綴るとアレルヤは笑った。
「うん、別に山に登らなくてもいいんだけど。ティエリアと一緒ならば、どんな所でも楽しそうだ」
海や、草原や、都市や、農村や。
地上のありとあらゆる場所。
どんな場所でも、君とならば新しい発見ばかりになるだろう。
そう言ったアレルヤに、ティエリアは振り返った。
赤い瞳に宿るのは、アレルヤに読み解くには難しい複雑な感情の入り混じり。きっと本人も分かっていない心の動き。
そっとその瞳に唇を当てる。その優しい温度にティエリアの目が閉じられた。
そして、そっと。ティエリアの指が動く。
そこから伝わった言葉に、アレルヤは切なく目を細めた。
「……うん。ずっと一緒に、いるからね」
ぎゅっと、細い身体を抱き締めて、アレルヤは彼へ熱を与えた。
手と手を重ねて。指を絡めて。肌と肌を近く。
ずっと離れないという証のように。
消えない熱を与えた。
いつまでも消えない、幸せな証を与えた。
アレルヤ・ハプティズムはティエリアの手が好きなようだ。
今みたいに後ろからすっぽりとティエリアの身体を抱きこんで、互いの腕を合わせ手を重ねる。
彼の無骨な指はティエリアの滑らかな指を何回も辿り、時にぎゅっと指と指を絡ませて、そうして優しいキスを降らせる。
ティエリアとしては簡単に抱き締められる体格差に歯噛みしたのも昔のこと、今では背中を預けられる体温が何よりも心地良かった。
遠慮なく、身体を預ける。ふふ、と笑う吐息が耳元にかかった。
忙しい合間にぽかりと空いた、静かな時間。
性急に肌を重ねることもあったけれど、今はこうして穏やかな時間を過ごすことが多くなっていた。
「それでね、その道を登っていくと見渡せる景色が広がっていくんだ。どこまでも遠く、広く。僕はちっぽけな人間だけれど、世界はもっと広くて、大きくて」
アレルヤはティエリアを抱き締めながら、先だってまで自分が経てきた旅の道程を、思いつくままに語っていた。
大部分はティエリアにとってどうでも良いこと。
なのにアレルヤが語るから、つい耳を傾けてしまう。軽くじゃれあうような会話を交わしてしまう。
それも、嫌なことではなかった。
「そんなもの、ガンダムからいくらでも見下ろせただろうに」
「ううん、違うんだ。自分の足で登って初めて、実感できた。機体越しではわからない、色々なことが」
空の蒼さ、雲の白さ、風に動くこと。草いきれの、花の匂い、吹き抜ける風の爽やかなこと、踏みしめる土の柔らかなこと。
きっとティエリアの知らない様々なこと。
「行ってよかったって、思った。だから、いつかティエリアも一緒に行こうね」
ティエリアが嫌がることを分かっていてアレルヤは希望を述べる。
だからティエリアは無視して、代わりに自分から彼の手のひらに指を這わせた。指で短い言葉を綴るとアレルヤは笑った。
「うん、別に山に登らなくてもいいんだけど。ティエリアと一緒ならば、どんな所でも楽しそうだ」
海や、草原や、都市や、農村や。
地上のありとあらゆる場所。
どんな場所でも、君とならば新しい発見ばかりになるだろう。
そう言ったアレルヤに、ティエリアは振り返った。
赤い瞳に宿るのは、アレルヤに読み解くには難しい複雑な感情の入り混じり。きっと本人も分かっていない心の動き。
そっとその瞳に唇を当てる。その優しい温度にティエリアの目が閉じられた。
そして、そっと。ティエリアの指が動く。
そこから伝わった言葉に、アレルヤは切なく目を細めた。
「……うん。ずっと一緒に、いるからね」
ぎゅっと、細い身体を抱き締めて、アレルヤは彼へ熱を与えた。
手と手を重ねて。指を絡めて。肌と肌を近く。
ずっと離れないという証のように。
消えない熱を与えた。
いつまでも消えない、幸せな証を与えた。
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