だらだら日記
基本的に結構カオスなつれづれ日記。同人耐性のない方はご遠慮ください。
[1496] [1495] [1494] [1493] [1492] [1491] [1490] [1489] [1488] [1487] [1486]
[PR]
[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
Happy Birthday to you.
アレルヤハピバ小話。アレティエです。
アレルヤの誕生日を祝うのももう4回目かと思うと、何だかしみじみしたものを感じます……00とも長いお付き合いになりますね、本当に。
まあ、そんなこんなで続きからアレルヤ誕生日小話です。
細かい設定は気にせずお読みくださいませ。
Happy Birthday to you.
夜中、寝苦しさから目を覚ますと、目の前にティエリアがいた。
「ティ、ティ、ティエリアっ!?」
淡く点いたルームライトにぼんやり浮かび上がって見えたその姿に、アレルヤは一気に覚醒した。
肩までの長さの濃紫の髪、赤い瞳、端整な顔立ちは見間違うはずもない彼のもの。
それにしても近い、あまりに顔が近い。寝起きにこの距離とは、なかなか刺激が強いものである。
しかし何よりも驚いたのは、彼は今ここにいるはずがない人だったから。
けれど当の本人はアレルヤの驚きなど知ったことではない平然とした顔で、ほんのり微笑んだ。
聞き間違えるはずがない、聞き慣れるほどに聞いた、けれど聞き飽きることはない艶のある声が、以前と変わりなくアレルヤの耳に届いてくる。
「誕生日おめでとう、アレルヤ」
「え……あ、ありがとう、ティエリア……嬉しいよ。――って、そうじゃなくて!」
「何だ、五月蝿いぞアレルヤ。隣の部屋の迷惑だ」
「あ、ごめん……って、そうじゃないよ、ティエリア、何でここに」
努めて声を殺しながら訊ねている間にも、ティエリアはアレルヤの胸の上でもぞもぞと体勢を変えていた――そっか、何か苦しいなって思ったらティエリアがのっかっていたんだ――でも、なくて!
ティエリアが誕生日を祝ってくれている、だったら素直に喜びたい。
けれどそれよりも驚きが先に立ってしまうのは、何で、今ここにいるはずがない彼が、ここにいるのか(しかも寝ている自分の上にのっかっているのか)ということだ。
「今日は君の誕生日だ。だから、特別に滞在許可を取ってきた」
「え」
「不服か?」
「と、とんでもない!」
――嬉しい。そんなの嬉しいに決まっている。
だって、もう何週間も何ヶ月も会っていないのだ。もう会えないのではないかという不安すらあった。大好きな相手との思わぬ再会が嬉しくないはずがない。
そう思うと一気に胸が熱くなって、細かいことなんてどうでもよくなった。満面の笑みを浮かべたアレルヤはティエリアを抱き締め――ようとして、しかしそれよりも先に、ティエリアが動いた。
「では、僕はこれで帰る」
「え」
「睡眠の邪魔をしてすまなかった」
「ちょ、ちょっとま」
誕生日祝いはもう済んだとばかり、そのまま本当に離れていこうとする身体を、慌てて起き上がったアレルヤは引き止めた。
掴んだ腕は抵抗なく、引き寄せられるがままのティエリアはすんなりアレルヤの腕の中に収まることとなり、そのまま二人揃ってベッドに倒れこむこととなった。
「どうしちゃったのティエリア。まだ五分も経ってないよ?」
「……うるさい」
「え」
「……久しぶりで、僕だってどうしたらいいのか分からないんだ」
「…………」
寝起きで考える間も少なかったアレルヤはまだ勢いのままにティエリアに対応しているようだが、ティエリアはそうではない。綿密な計画の下にここに来た。
けれどそんな計画、今や実用性の欠けるものとしてあっさり却下されていた。
この部屋に来てから、ずっと落ち着かなくて、一体前はどうやって接していたか、触れていたかなんて、そんなの記憶にはしっかり残っているのに――実際にアレルヤの姿を見て、会えなかった間の年月の経過を感じてしまうと、本当久しぶりなのだということを実感してしまうと、手足を動かすのすらどうしたらいいのか分からなくなってしまう具合だったのだ。とても計画通りになどいくわけがない。
おかしい。前はこんなではなかったのに。
どうしたらいいのか分からないからもう居た堪れなくて、だからいっそ帰ってしまおうとして。それは本当に帰ろうなんて思ってもいないくせに。
「しかし、そうだな。これ位のことは何回もしているし、別段おかしなことでもないし、まだ帰るほどの時間でもないし、な……」
そう言いながら、もぞもぞとアレルヤの腕の中でまた体勢を変え続けているのは、やっぱり落ち着いていない証拠なのだろう。
何回もアレルヤの寝間着を遠慮がちに握っては離し、離してはまた掴むのを繰り返している。
これは、存外に、可愛い――かわいすぎる。
「……もう、ティエリアったら」
「それ以上言うな」
「可愛いんだから」
「言うなと言った!」
「うん……本当に、ありがとう」
「……アレルヤ」
茶化すような――勿論本心ではあるのだけれど――一言の次に、心を込めて礼を言う。
それにティエリアがふわりと微笑んだのが見えた。けれどすぐに手のひらに目隠しされて、アレルヤの視界は真っ暗になってしまう。
それでも抵抗はせずにいると、体温が近付いてくる気配。
そして、ちゅ、と小さな音を立てて離れていった、柔らかい唇。
「ティエ……」
呼ぼうとした名は、次のキスで押し留められた。
何度もキスが降って来る。その合間に何度も名前を呼んで、呼ばれて、際限なくそうしている内に――魔法でもかけられたように意識が遠のいていってしまい――
爽やかな朝。
一人ベッドの上に起き上がったアレルヤは呆然と目を瞬かせた。
「……夢オチ? これ、夢オチとか、ありなんですか……?」
というか前もこんなことあったよね……。
情けなく呟きながらアレルヤはベッドの上に起き上がる。当然ながら、腕の中にはティエリアはいない。アレルヤ一人の部屋である。
まだティエリアに触れた感触も残っているのだけれど、それ以外にティエリアがここにいたことを示すようなものは何もない――はずだった、が。
アレルヤは、見慣れたはずの自分の部屋に、一つだけ、寝る前にはなかったはずのものを見つけた。
「あれ……これって」
サイドテーブルに、見慣れない包みが置いてある。
白い包装に紫色とオレンジのリボン。一緒に添えられていたカードをおそるおそる手に取って、そこに書かれた短い文を読んだアレルヤは一気に笑み崩れた。
何回も読み返しては微笑んで、カードに唇を落とす。
それは、愛おしい、恋人への感謝の気持ちを込めて。
『Happy Birthday, Allelujah』
――Thanx, My Love.
(アレルヤ誕生日おめでとう・ザ・4th!)
(夢オチはもう何回使ったんだか分からないんですが、今回本当に夢オチなのか何なのかはもう読んだ方にお任せします!)
(何となくで書いたので、シチュエーションとかいつの話とかはツッコミなしでお願いします)
(しかし、久しぶりに書いてみて、やっぱりアレティエ大好きだなと思いましたしみじみと)
← 近況報告みたいなもの HOME 友情大特訓! →