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だらだら日記

基本的に結構カオスなつれづれ日記。同人耐性のない方はご遠慮ください。

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たった一言でも

00、本編よりも大分前のアレルヤ。とティエリア。
普通に仲が良くないような、んでもアレティエ風味は残っているような話です。
鬱々アレルヤとツンツンティエリア。

アレルヤが幼いので本当にCB入った直後とかそんな感じだと思います。ティエとロックオンはいて、刹那はいない感じで。
そしたら14歳とかかしら……14歳アレルヤ……どんなだ!
いや、17歳位であんなでもいいけど。
19歳位になると、さすがにもっと吹っ切れた感じかなあと思います。

いつも書いている話とはあんまつながりはないかもですが、とりあえず思いついたままに書きました。
そんな、話。

   たった一言でも

本当に、自分が嫌になるときがある。
『僕なんて』。そんな言葉が一時の友になり、誰に話しかけられても卑屈になってしまうときが。
けれどそれを表に出して、誰かに心配してもらうなんてそれこそおこがましい――けれど誰か僕を見て欲しい。
そんな理性と感情の二律背反。頭には半身の嘲笑が響く。胸が苦しくなって、ひどく、憂鬱な気分になる。
ガンダムマイスターとしてソレスタルビーイングに入ってからしばらく、僕はよくそんな気分を味わっていた。

それは確か、シミュレーションに大失敗したときだったと思う。
僕がシミュレーションに失敗することは、それまでもままあることで、その度に僕はティエリアに激怒され、ロックオンに慰められては情けない気持ちになったものだった。
けれど、その時の失敗は……シミュレーション自体が性質の悪いものだった。
どんなシミュレーションだったかは、思い出したくないから割愛する。とにかくハレルヤが自分に代われと何度も言ってきたけれど、それだけは何とか避けて、遂行しようとして、でも出来なくて。
タイムアップ。同時に視界が真っ赤に染まったのは、マイスター死亡という結果を示していた。
けれど僕はその結果に安堵してしまって――そんな自分に嫌気がさした。
ティエリアには怒られ、ロックオンに慰めの言葉をかけられ、スメラギさんに解散を告げられてそのまま僕は自分の部屋に閉じこもってしまった。
もう、嫌だった。ここにいることが。理性と感情の乖離、狭間の痛み。けれど他に行く所もない。ここで為したいことがあった。そう、思っていた。けれどもう、嫌だった。
こうしていてもどうにもならないって分かっている。けれど、何もしたくなくてこのまま朽ち果ててしまいたくて。
ドアを叩く音が聞こえても、それはずっと無視していた。何度か聞こえたそれは、すぐに聞こえなくなっていた。
それにほっとしながら、寂しかった。そう感じて、じわり、涙が滲み出してきた。
けれど。
止んだと思ったノックの音は、すぐに冷たい靴音へと代わった。
ロックしていたはずのドアはいとも簡単に開けられ、僕の部屋には一人の少年が何の断りもなしに入ってきたのだ。

「アレルヤ・ハプティズム。シミュレーションの時間だ」

淡々と言って来たのは、端末を片手に持ったティエリア・アーデ。
人形めいた美貌は今日も冴え冴えとしており、その佇まいには一片の隙も見えない。躊躇もない。
彼が電子の寵児であることはよく知っていた。艦内システムに介入してドアのロックを解いたのだろうか?
勝手に部屋に入ってくるなんて無神経にも程がないか、と思う一方で、けれど僕は少しだけ嬉しくも感じていた。誰かに、気にかけられたことが――それも、あのティエリア・アーデに!
けれど僕はベッドに座り込んだまま、彼から顔をそらして答えた。

「……嫌だ」
「……何?」

訝しそうなティエリアの声。いくらかの怒りも含まれている。当然だ、シミュレーションに遅刻した上、謝辞もなく、逆に駄々をこねられるなんて彼は思ってもいなかったのだろう。
彼は傲慢だ。そして、強い。だからきっと僕の気持ちなんて分からない。そう分かっているのに、僕は同じ言葉を繰り返した。

「もう、嫌だ」
「……戯けたことを抜かすな。マイスターとしての責務を」
「だから、そういうのがもう嫌なんだって!」
「だから何が嫌だと言うんだ!!」
「何もかもさ! もう……嫌なんだ……」

今の気持ちをそのままに吐き出した僕はそのまま俯いてしまったから、ティエリアの表情は見えなかった。
けれど、きっと。
そうか、と。
そんな一言で、もうティエリアは僕のことなんて切り捨てて、マイスターも降ろされて、それできっと終わるんだろうなと。投げやりな気持ちでそう思っていた。
だって、ティエリアにとって僕は『ガンダムマイスター』でしかなくて。だからそれを放棄すれば、きっと彼にとって僕は何者でもなくなるのだから。

なのに。
返って来た言葉は、それとは違うものだった。
いや、言葉よりも先に、僕の頭に響いたのは、脳天を貫く鋭い痛みだった。

「愚か者がっ!」
「痛っ!」

ティエリアに思い切り拳骨で殴られて、さすがに僕は顔を上げた。頭がじんじんする。自然鋭い目つきで彼を睨みつけたけれど、ティエリアは負けず劣らずの怒りを浮かべていて、僕はそれに気圧されかけた。

「いいか。君はガンダムマイスターだ。君が乗らなければキュリオスはどうなる?」
「ほ、他の人が乗れば」
「だから君は愚かだと言うんだ。いいか、ヴェーダが選んだキュリオスのマイスターは君だ。君以外の誰が乗ると言う?」
「で、でも。僕は、シミュレーションで失敗して、失敗ばかりで」
「それでもヴェーダは君のマイスターからの降格など告げていない」
「でも、ティエリアだって怒っていたじゃないか!」
「当然だろうが! 君が全力で挑まないからだ! 君ならば為せるミッションのはずだ! だのに何故失敗する!? 失敗する、なのにヴェーダは腹立たしいことに君をマイスターであると告げている! だから君はもっと努力をするべきだ!」
「でも、僕なんて、マイスターに相応しくないって」
「誰が! いつそんなことを言った?」
「君が昨日言ったじゃないか! その前も、その前だって!」
「俺が相応しくないと言ったからと、それだけで君がマイスターでなくなるわけがないだろうが!? いいか、ヴェーダは君を不要と告げていない。告げる位ならば君を選ぶことなんてなかった!」
「……ティエリア」
「だから君はマイスターなんだ!」
「…………」
「何か反証はあるか!?」
「……いいえ」
「ならばいい」

僕を言い負かしたと思ったティエリアは満足げに腕を組んで胸を張った。僕はそれを呆然と眺めた。
ここまでくると、僕には怒りも何もなくなっていた。さっきまで落ち込んでいた気持ちなんてのもどうでもいい。嫌だって、何がそんなに嫌だった?
そんなの、どうでもいい。
だって、あのティエリアが、僕をマイスターだって何度も言っているのだ。
マイスターであってよいのだと、言っているのだ。
ここにいて、よいのだと。

「……君には?」
「何?」
「ティエリアには、僕は、必要?」
「……ああ。腹立たしいことに。ヴェーダが必要としているのだから、俺にも君は必要な存在だ」

それは、ティエリアにとって大した価値もない言葉だったに違いない。
けれど僕はそれでも、そんな言葉にでも。
ティエリア・アーデに『必要』だと思われているということだけで。

「……ティエリア」
「な……っ何を泣いている?」
「ありがとう」
「……は」

突然僕に礼を言われて、ティエリアは心底訳が分からなさそうな顔をした。そんな顔は滅多に見られるものじゃないから、僕は泣きながらちょっとだけ笑ってしまった。
そうすると、胸がすくように感じた。奥底に重く溜まっていたものがいくらか軽くなって、僕は立ち上がった。

「シミュレーション、行くよ」
「……そうか」

きょとんとしながら、それでもティエリアは頷いた。そしてさっきまでのやり取りなんて全て忘れたみたいに部屋から出て行って、その後シミュレーションルームで会ったときにはまた遅刻するなんてマイスター失格だとか何とかいっぱい僕を叱ってきたけれど。
けれどそれも、何だかくすぐったくて。

きっとこの時、僕は彼を好きになったんじゃないかって、思うんだ。


(結構強引な感じの話でした。お粗末さまです)
(アレルヤと沙慈ってやっぱり似てる気がするなあ、と書きながらちょっと思ったり)
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