だらだら日記
基本的に結構カオスなつれづれ日記。同人耐性のない方はご遠慮ください。
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…前言撤回です
……結局、書いてしまいました。ライアニュ。てかアニュー。
ぶっちゃけ、以前ライアニュに一瞬燃え上がったことがあったんですよね私。
何でかっていうと、スパイと無自覚スパイ、という関係性がよかったのかなあとか思ったんですが、でもよく分かんない。
とりあえず一瞬だけ切ない妄想広げて、んでも本編がライアニュに傾いてきたのでじゃあ自分ではいっか、と思っていたのですが。
そんな状態で20話見たのでぶわーっとなったみたいです。
結局ライアニュの下地は出来ていたんだわ、私。
↑ということを、注意書き代わりに書いておきます。
そんなこんなで、二期20話、アニュー一人称の散文です。
色々好き勝手書いてますので、ご注意を。
(一回修正入れました)
イノベイター機を鹵獲した、と。俄か空気の浮き立った艦内。
すっと、澄んだ空気のように頭の中に流れ込んできた、声。。
――アニュー。アニュー、戻るんだ。
その声は、とてもよく聞き慣れた。
もう一人の私の声だった。
繋がる。一瞬で理解する。これまで意図して封じられてきた、私の私としての記憶が蘇る。
ああ、そうね。
偽りの時間は、もうお終い。
ゆっくりと艦の針路を変える。
そのことに気付いたラッセ・アイオンには銃を向けた。
私の邪魔をしないで。
だって、私は。
「――イノベイターよ」
引き金を引くのも、容易いことだった。
Re-turn
――アニュー。何故あの男に止めを刺さなかった。
ミレイナ・ヴァスティを盾に取り、リヴァイヴとの合流に向けてポイントへ足を向ける。
その最中、訝しげに問いかける声が聞こえた。声に出さずに私は応える。
そんなの、簡単なことだわ。負傷者を出せば、ヒトはそれを助けようとする。これでフェルト・グレイスの追跡の手は止めたも同然。その間にも艦内システムに撒いたウィルスは広がり私達に有利になっていく。ただそれだけ。それだけのことよ。
――アニュー……。
複雑な響きを残して声は止んだ。ええ、分かっている。分かっているの。私達の間で隠し事は出来ない。
腕の中では幼いミレイナ・ヴァスティが悲しそうな顔をしていた。フェルト・グレイスよりも彼女の方が扱いやすい。だからこの子を盾に取った。
『私』によく懐いてくれていた。それでも時折、私を見て不思議そうな顔をしていたのは、きっと彼女の無邪気さゆえね。無邪気な子供は自分との異質を敏感に嗅ぎ取るものだから。
そう、私に植え付けられた知識が教えてくれる。全てヴェーダに教わったこと。
ふと、廊下の角を曲がる瞬間、鋭い殺気を感じた。銃を構える。そして銃を、構えられる。
「ここから先には行かせん!」
立ちはだかったソーマ・ピーリス。厄介ね。中途半端な脳量子使い。出来損ないの超兵さん。
それでも何より強いのは彼女自身の意志だった。きっと腕の中のこの子を盾に取ろうとも、発砲してくるに違いないわ。
けれど、それにむざむざやられる私ではない。
けれど。
「アニュー!!」
……ああ。来てしまったのね。
ライル。私の、愛した人。
プトレマイオスの新参者同士、はじめはそれだけだったのに。
本当にたったそれだけだったのにね。
警戒しあって、互いを知り合って、いつの間にか愛していた。
全てが偽りの世界で、けれどそれは本当だった。本当だったけれど、それも今は偽りになった。
だって、貴方はヒトで、私はイノベイター。
全てが違うものなのだから。
だから、……せめてわらってあげましょう。
貴方との別れを告げるに相応しい笑顔で。
『貴方のアニュー』は、もう、いないのだと。
綺麗にわらってお別れしてあげる。
――さよなら、ライル。
私は、戻るから。
(本当に、散文でした)