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だらだら日記

基本的に結構カオスなつれづれ日記。同人耐性のない方はご遠慮ください。

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相合傘の行方(稲妻)

新カテゴリ作っちゃいました!
最近ずっと騒いでいたイナズマイレブンです。
はまって二ヶ月弱、燃え上がる情熱のままにカテゴリも作ってやる気は十分、もそもそイナイレSSを書き始めようと思います。
週末にはサイトにもイナイレ部屋を開設したいです。

ということで。
今日のSSは円風+豪炎寺です。
一応円風がうちのメインCPとなっていく予定です。
でも登場キャラ皆かわいいから……色々と書いてみたいな、っと。

それでは、進まれる方は続きへどうぞー。
まだまだ手探り状態のなので、口調等おかしかったらごめんなさい。
初々しくて色々恥ずかしい感じです。
 


 


   相合傘の行方

着替えを終えて部室の扉を開けると、外はまさしく土砂降りとしか言いようのない有様だった。

「うっわあ……すっげー雨だな!」
「さっきまでは小降りだったのにな……」
「ああ。油断していたな」

その圧倒的な雨の勢いに、部室の入り口真ん前で円堂ははしゃぐように声を上げ、その斜め後ろで風丸と豪炎寺が渋い顔で言葉を交わしあった。
部活中はぽつりぽつりと控えめに降っているだけだったのが、部活が終わった後、三人でこれからのことを話し込んでいる内にすっかり本降りになってきてしまったらしい。暗い色の雲に覆われた空には、遠くに稲光も見えた。
風丸と豪炎寺は持ってきてあった傘をそれぞれ開こうとして、途中ではた、と動きを止めた。
入り口にはさっきから円堂が突っ立ったままで、傘を開くのにちょっと、邪魔。

「円堂?」

むー、と何か考える様子なのに風丸が呼びかけると、少し言いにくそうにしながら円堂は振り返る。

「オレ、今日、傘持ってくんの忘れちゃった……」

頬をかきながら、あはは、と笑う円堂に、風丸は呆れたように肩を落とした。

「予報でも降るって言ってただろ?」
「んー、母ちゃんが何か言ってた気がするけど……」
「円堂は今日は遅刻ぎりぎりだったからな。大方天気予報どころじゃなかったんだろ」
「あはは、まあな!」
「自慢にならないぞ、それ」

ふう、と一つ溜息をついてから、仕方がないな、風丸は苦笑した。

「全く、しょうがないな。オレのに入ってけよ」
「お、サンキュー、風丸!」

そうして身体をずらして場所を空けると、風丸の開いた傘の下に円堂は遠慮なく入る。
その後に続くように豪炎寺も自分の傘を開く。一歩外に踏み出せば、雨粒が傘に当たる音が予想以上に大きかった。
雨に濡れないようにと用心深く傘の位置を調整していると、ふと目に入った円堂と風丸は自然と傘の中心に身体を寄せ合うようにしている。二人の肩は今にもぶつかりそうな距離にあった。
大柄ではない二人だけれど、一人用の傘ではいささか窮屈に見える。

「二人で入って、狭くないか?」

そんな素朴な疑問を口にすると、二人は揃ってきょとん、とした顔で見返してきた。
そして一拍の間をおいて、はっとした風丸は円堂から少し距離を置こうとしたけれど、その腕を円堂がぐい、と引き寄せて、今度こそ二人の身体がぶつかった。

「円堂!」
「だって風丸濡れちゃうだろ」
「それは、そうだけど」

そう言いつつ、ちら、と豪炎寺を気にするように見てきた風丸の頬が、少し赤い。
首を傾げながら、豪炎寺はその顔を怪訝そうに見返した。

「どうした風丸?」
「え……、ああ、何でもない!」
「豪炎寺は用事があるんだろ? オレ達のことは気にしないで帰ってくれ」
「……そうか。それじゃ、また明日」

そう言われるとそれ以上言うこともない。
風丸には風丸の事情があるんだろう、と豪炎寺は余計な詮索はせずに足早に帰路に着いていった。



豪炎寺の後姿を見送った風丸は、ほっと胸を撫で下ろした。

「どした、風丸?」
「いや……今のはオレが気にしすぎだったんだよな……」

変にべたべたしすぎていたんじゃないかって。
友達としては不自然な態度をとってしまっていたんじゃないかって。
豪炎寺の指摘に過剰なまでに反応してしまった自分を恥じて、口元を歪める。
客観的に考えれば、あれ位の距離、別に仲間としてだっておかしくはなかった。なのに咄嗟にあんな反応をしてしまっては、やましいことがあると言っているようなものではないか。

「気にすんなって。豪炎寺も別に変に思ってないと思うぞ」
「だといいけど、なあ……」
「それに、あいつは知ってても言いふらしたりするやつじゃない」
「ああ、分かってる」

だとしても、それはそれで気恥ずかしい。
二人が付き合っている――いわゆる恋人、というやつであることは、他の誰にも秘密の関係なのである。
当の二人の間ではもう乗り越えたことだけれども、やはり同性同士の恋なんて、堂々と言いふらせるものじゃない。だから、誰にも内緒にしなきゃ。それはくすぐったい、二人だけの秘密の約束だった。



家に向かうに連れて、雨は強さを増していくようだった。
強雨のせいか、車通りの少ない住宅街を歩く人の姿は少なくて、時折すれ違う人は皆目深に傘を差して足元を見つめながら歩き過ぎて行く。
二人も足元に気をつけながら、肩が触れ合うぎりぎりの距離で、一つ傘の下に並んで歩いていた。
周りは激しい雨、それを遮る決して大きくない傘の下の空間は豪炎寺の指摘通りに狭くって、けれどだからこそ近くにいられる。
俗に相合傘なんて言われる状態、けれどそんなことは気にしないで、ただずっと顔が近いのにどきどきし続けていた。

「風丸、傘、オレが持つよ」
「いいよ、そんなの。わざわざ持ってもらうほどのもんじゃないだろ?」
「でもオレが入れてもらってるんだしさ」
「これ位で気にするなって。これで貸し一つ、だからな」
「おう! ……って何すればいいんだ??」

そんな軽口を真面目に受け取って悩み始める円堂に、「冗談だよ」風丸は笑って言った。
からかわれたと分かった円堂は「何だよー」と少し口を尖らせて、拗ねたような素振りをしたかと思うと、おもむろに、

「それじゃ、オレも一緒に持つ!」
「へ?」

そんな声が聞こえると同時に、え、と驚く。
傘を持つ風丸の右手に、重なってきた、熱。
円堂の、てのひら。

「え、円堂……?」
「何だ?」
「その、手、」
「邪魔だった?」
「じゃ、邪魔って言うか」
「嫌、か?」

真っ直ぐに、見つめられる。その視線を、重なる手を意識すると一気に体温が急上昇した。
これまでに、手を繋いだことは何度もある。それこそ普通に友達として付き合う中でだって。
だから、円堂の手が大きいとか温かいとかそんなことはずっと前から知っていたのに。
なのに何故かこの時は、変に意識せずにはいられなかった。

「風丸?」
「っ……や、じゃない」
「そっか!」

ならいいな!
明るく言い切るとその手がより強く風丸の手を握り締めてきたような気がした。
慌てて周りを確認するけれど、人気はない。
ならばいいか、と肩に入った力を抜いていたところに、
手を重ねたまま、
ぐい、と傘ごと引き寄せられて、
近付いて、

「――!」

ちゅ、と、音を立てて離れていったのに、
風丸は一瞬固まりついて。

「~~円堂、調子に乗るな!」
「へへ、見えてないから大丈夫!」
「そーいう問題じゃないだろ!!」
「いーじゃん、ほっぺただし!」
「そういう問題でもなくてだな!!」

唇が触れて離れていった頬を押さえながら、風丸はいよいよ顔を真っ赤に染め上げた。
自分も少し頬を染めながら、円堂は鼻の下をかいて、

「何か、風丸かわいいな!」

その一言は、決定打であった。


「……円堂、お前……」
「?」
「……いや、もういい」

顔を上げていられなくなった風丸は俯き、自由になる片手で顔を覆い、何か言おうとして、諦めた。

「それより、とっとと帰るぞ。風邪でも引いたら大変だからな!」
「あ、そうだな!」


そしてそのまま、肩を寄せ合う距離で、色々言い合いながら、どこか楽しげに。
当然、傘を持つ手は重なったまま。
相合傘はゆっくりと、雨の中を歩いていった。



おしまい。

(書いていて すごく こっぱずかしかったです)
(最後の方で力尽きている感がありますね!)

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