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だらだら日記

基本的に結構カオスなつれづれ日記。同人耐性のない方はご遠慮ください。

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その、重さ

アニメ95話に絡んだ話。
風丸とヒロト。ヒロト視点です。
ネタバレにはご注意を。

一個前の記事であんなこと言っておきながら、やっぱり衝動が抑えきれず勢いのままに書いてしまいました。
ヒロトは初書きでどきどきです……!
本当にヒロトを書く予定は全くなかったのですが、95話見ていたらすごく書きたくなった話です。
今回で本当ヒロトかわいいかっこいい悶えた……!
なんだか、無意識の内に「円堂君……!」な感じの子になってしまったのですが、ええと、で、デフォルトでそういう子だと認識している私がここにいるのですが……あれ、それでいいんだっけ??
妄想っていうか願望過多な話になりました。

手探りですが楽しく書きましたー。
よろしかったら続きへどうぞー!
 


   その、重さ

綱海君に抱えられてフィールドを出て行く風丸君の姿を、皆が不安そうに見ているのが分かった。
このチームは、円堂君と鬼道君が中心になっていて。
けれど彼らがいない今、その中心にいたのは、円堂君の代わりにキャプテンマークをつけた彼だった。
彼も、それに応えようとしていた、気負っていたからこその負傷。
風丸君の悔しそうな表情が垣間見える。その気持ちは分かる。そして、心配そうに彼の背を見送る皆の気持ちも。
フィールドの外に出た彼の周りにはベンチにいた皆がすぐに駆け寄り、木野さんはてきぱきと負傷箇所の処置を始めた。
それを見守る不安げな皆を見渡して、風丸君は痛みに顔をしかめながらも力強い声で、

「大丈夫、ちょっと足を捻っただけだ」

と言い、そして交代で入ることになる栗松君の背中を力強く押した。
これでもう、交代要員はいない。
そして、アルゼンチンの鉄壁の守備を破る手段は見つかっていないし、次の攻撃にも耐えられるかどうか。
円堂君たちも、いつ来るか――間に合うかも分からない。
そんな不安要素だらけの状況に、自然と皆の顔が曇って見える。それでも交代が済めばすぐに試合は再開される。
栗松君を加えてのフォーメーションに移動する皆にオレも倣おうとして、けれど、呼び止められた。

「ヒロト、」
「何だい?」

目金君に肩を借りた風丸君は、ライン際に寄りながら、オレの方へ手を差し出してきた。
近付けばすぐに分かる。その手に載せられているのは、見慣れた、オレンジ色の、そう、いつもは円堂君がつけている、

「オレが出られない間、頼む」
「え……」

何の疑いもなくキャプテンマークを差し出してくる彼に、オレは戸惑った。

「オレでいいのかい? 豪炎寺君じゃなくて」

そうだ、このチームには他にも皆の中心になれる選手がいる。
それに、自分で言うのも何だけれども、オレの過去の行いのせいか、まだ打ち解けていない人たちもいる。

「さっき、それぞれが勝手に走っていたオレたちをまとめたのは、ヒロト、お前じゃないか」
「でも、オレがキャプテンになっても皆」
「ヒロト、」

風丸君は、さっきと同じ力強さで、笑って言った。
真っ直ぐな目は、『彼』と似た強い光を宿している。

「オレたちは、仲間だろ」
「――!」

その言葉に、はっと、気付かされた。
自分が、このチームでは物事を一歩引いて見がちだったということは自覚していた。だからこそ、さっきも試合を客観的に分析することができた。
けれど、そうじゃない。
『このチーム』は『円堂君のチーム』じゃなくて、『オレたちのチーム』なんだということに。
それは、多分当たり前のことなのだろう。オレも分かっていたことだ。
けれど、それが今本当に、解った。本当の意味で、オレも皆と同じチームの一員なのだと。
そして。
この試合に、絶対に勝ちたいと思った。
そのためには円堂君がいないことへの不安なんて言っていられない。
今の全力を尽くすこと。それが必要だ。

「……分かったよ」
「よろしく頼む」
「ああ」

受け取ったそれは、ずっしりと重く感じた。
『グラン』として、ジェネシスのキャプテンとしてつけていたときとは違う重み。
それは、この不安を感じている、不安定な、けれど一生懸命な皆を、引っ張っていかなくてはいけない、その責任の重さ。あの、皆がある種の完成の域に達していたチームとは、違う。
それも、ただのキャプテンではなく、円堂君の代わりに、だ。
ああ、君もきっと重かったんだろうね。
このチームで、このマークをつけるのは、それだけの意味がある。
風丸君は悔しそうにしているけれど、けれど重荷を解かれて少し楽になったようにも見える。それは、オレの気のせいかもしれないけれど。

フィールドに出て、オレンジ色のバンドを、腕につけた。
一瞬だけくすぐったさを感じたけれど、すぐに身が引き締まる思いがした。
円堂君。君達は今どこにいるんだろうか。
早く来て、不安な皆を支えて欲しかった。そう期待していたのは本当だ。
けれど。
もう、中途半端に君を待つのは、止めだ。
オレたちは君がいなくても、戦える。勝利を掴むことができる。
それを、君に見せてやる。

――無意識に、手を置いたキャプテンマーク。
そこから、責任の重みと一緒に、勇気が伝わってくるような気がした。



(ヒロトがキャプテンマークつけてるのとかキャプテンマークぎゅってしてるのとか見て、何か滾ってきて、勢いで書いた話でした)
(そしたら、前に色々あった関係でこれまで皆から一歩引いていたヒロトが、代理キャプテンになることでちょっと変わるお話となりました)
(実はアニメ三期は全部見ておらず途中が抜けているので、おかしな部分あったら後々修正入れます)
(妄想って言うか願望が多目の話になりました……夢見がちな自覚はあります)

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