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だらだら日記

基本的に結構カオスなつれづれ日記。同人耐性のない方はご遠慮ください。

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好きから始まるエトセトラ 3

ティアクラ週一更新シリーズになってきている、主リウっぽい話第三話。
勢いのままに書いています。
本当、この話は何処向かってるんでしょうねえ……(笑)

眠い頭で書いたので、後で手直しするかもです。

   好きから始まるエトセトラ ~おもいことば~

ぱしん!

「あっ」

気付いた時にはもう遅かった。
目の前にはきょとんとした銀灰の目。
その手を振り払ったのは、自分。
上手いこと誤魔化す言葉を探して、けれど何故か頭が真っ白になっていた。
何も言えない。それでもぎこちなく顔を歪めて、慌ててリウはその場を離れた。

「……あ。わ、悪ぃ! オレ、ちょっと用事!!」
「おわ、ちょっ、リウー?」

不思議そうに呼びかける声は聞こえない振りをして全力で駆け出した。
何気なく触れてきたタイガに不意をつかれた。
思わず振り払ってしまったことへの申し訳なさと、いたたまれなさが相まって、その場から逃げ出す以外出来なかった。
明らかに、今のはまずかった。いくらタイガでも訝しく思われただろう。
何で、何でこんなに意識してしまうんだろう。
ずっと、変わらない、友達だって思ってたのに。
何が、変わってしまったんだろう。

――好きだ。

他意なく言われたその一言に、一週間経った今も、気持ちが振り回されていた。

   ~*~*~*~

「なーに? あんたたち、喧嘩でもしたの?」

走り去るリウの背中を何やら怪訝そうな顔で見ていたタイガに、それを傍から見ていたマリカは呆れた声をかけた。
タイガは首を傾げて少し考えて、答える。

「んにゃ?」
「ふうん。変なの。っていうか、最近リウ、ちょっと変よね……」
「……なあ、マリカー?」
「なあに?」
「オレ、リウにどんな風に触ってたんだっけか」
「……はあ?」

確かめるように両手を握っては開き、訊ねかけるタイガは上の空の様子だった。

「聞かれてもあたしに分かるわけないでしょーが!」
「何かなあ……違う気がするんだよなあ……」
「……なにそれ」
「わっかんねえ。けど……何か、分かんなくなった!」

あーもー! 頭をかきむしってひとしきりむしゃくしゃを発散させると、そのままタイガは走り出した。
「ちょっとどこ行くのよー!」何も言わないで駆けていくタイガの背中にマリカの声。
「すぐ戻る!」答えた背中にマリカは大きく息を吐いた。

   ~*~*~*~

「どうした、リウ?」
「んー、ジェイルー?」
「こんな所で何をしてる?」
「へ」

タイガから逃げ出して、気付いた時には村の外れに辿り着いていた。
お使いの帰りだろうか、腕に袋を抱えたジェイルに問いかけられて、リウははっと顔を上げた。
聞かれて当然だ。何せ今日はこれから四人で稽古をする予定で、ジェイルもその集合場所に向かっている所だったのだろう。なのにリウは逆方向に向かって歩いてきたのだから。

「何か、あったのか?」

鋭い。いつものジェイルは鈍いのか鋭いのか分からないヤツだけど、今は敏感にリウの状態を察したようだった。
う。リウは言葉に詰まった。心配させないように「何もないッて!」そう言い切ってしまうだけの気力が、今はなかった。
はーあ。大きく溜息を吐いた。ホント、オレってへたれかも。
それでもちょっとでいいから胸の中に渦巻いているものを吐き出したくって、リウは口を開いた。

「つかタイガに好きって言われた……」
「? それがどうした?」
「……そーですよねーふつーはそれが正しい反応だよねー」

タイガが率直に物を言うのは今に始まったことでもない。ジェイルにしてもマリカにしても、そして勿論リウにしてもそれには慣れていた。それは滅多に言わないけれど、仲の良い友人に対して「好きだぜ!」位言ってもおかしくない。
なのに意識してしまう。その、何気ないはずの一言を。
あの夜が、特別な夜だったからいけないのかもしれない。
あの時のタイガが、いつになく大人びて見えたせいかもしれない。
でも、原因が何であれ――

「あーオレ、何かおかしいかも……」
「そうか?」
「そうですー」
「……そうか」

曖昧な言葉しか口に出せず、笑顔を浮かべるのに失敗していたリウの頭を、ぽんぽん、と子供をあやすようにジェイルの手が軽く叩いて離れた。ふっと顔を上げると優しいジェイルの顔がある。

「あまり思いつめるなよ。その前に話を聞かせろ。タイガに言い辛いならオレが聞くぞ」
「ジェイル……」

表情が表に出にくいジェイルだけれど、今のジェイルは本当にリウのことをきにかけていて、その姿がとても頼れるように見えた。
あ、マジでいいヤツらと友達になれたんだな。そう思うと感極まってきて。

「ジェイル好きー!」
「何だ突然?」
「……あーもー、こーいうのは言えちゃうんだけどねえー」

ジェイルに抱きつきながら、リウはぼやいた。ジェイルはわけが分からなさそうにしながら、その背中をまたしてもあやすようにぽんぽん叩いてきた。
こうしていても、タイガの時のように変に緊張しない。タイガは違う。何か、根本的に、違う。

「……ぜってー、言えねえもん……」

前ならば、ジェイルにするのと同じ様に言えたかもしれない――好きという言葉。
けれど今は、きっと、簡単に口には出来ない。
それは、その重さが、違うものになってしまっているから。
タイガが、好き。
……その言葉が、特別なものになってしまっているから。
何でだろう。どうしてだろう。やっぱり分からないで、己を確かめるようにもう一度、「好きー」と言えばジェイルの落ち着いた声が「オレも好きだぞ?」と返してきた。嬉しい、けど、あの時とはやっぱり、違う。
そうしてリウが自分を探るようにしていた時。
けれどそこに、駆け込んできた三人目の少年が、叫んだ。

「ずりいぞ! ジェイルばっか好きだって言われて!!」
「……げ」

タイガ。
聞こえたその声に、冷や汗。
けれど別に見られてまずいことなんてないんじゃ、いやでもなんかすっごく悪いことしてる気分なんですけど!
そう思いながら振り返った所には、見たことのない目をしたタイガが、いた。

(つづくといいな! がんばれ自分!)
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