だらだら日記
基本的に結構カオスなつれづれ日記。同人耐性のない方はご遠慮ください。
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好きから始まるエトセトラ 2
主リウっぽい話第二話。
リウ視点。
やっぱりまだ自分でも行き先不明のまま書いています(苦笑)。
後で手直しするかもです。
リウ視点。
やっぱりまだ自分でも行き先不明のまま書いています(苦笑)。
後で手直しするかもです。
好きから始まるエトセトラ ~あかるいまきば~
「リウー、そっち行ったぞ!」
「うわわわ」
「覚悟を決めろ」
「やるのよ、リウ!」
「う」
「そうだ、やってみろ、リウ!」
ジェイル、マリカ、そしてタイガからの声援を受けて、及び腰ながらもリウは覚悟を決めざるを得なかった。迷っている暇はない。他の三人がここに辿り着くにはしばらく時間がかかる。自分しかいないのだ。
勢いをつけて、目の前から逃げ出そうとした羊を上から覆いかぶさるようにつかまえた。腕の中でもがくのを必死に押さえ込む。けれど腕の中の大人羊にとうとう振り落とされそうになった瞬間、それを支えるように横から仲間達の手が伸ばされた。四人にまとめて抱え込まれた羊は、観念したように地に伏せた。
「よっし! 最後の一匹だ!」
「やったわね、リウ!」
「怪我はないか?」
「あ、だいじょぶだいじょぶ」
歓声と心配の声に答えながら、リウは強いて笑ってみせた。
昨日の強風のため、夜が明けて確認したところ、案の定村の何箇所かには被害が出ていた。
村外れの羊小屋にもその被害は及んでいた。小屋の壁に大きく穴が開き、そこから羊が何匹か逃げ出してしまっていたのだ。
どこまで逃げたか分からないそれを捕まえるために、リウ達は朝からずっとそこら中を走り回っていたのだった。それでも村の周りの柵は壊れていなかったのが幸いだった。昨日の補修の効果があったのだろう。
羊飼いに引っ立てられていく最後の羊を見送りながら、四人はその場にへたりこんだ。
「ひえー……にしてもマジで肝が冷えたー」
たかが羊と侮ったものではない。一対一で向き合ってみると、思った以上に力が要る。
探し回って、追い詰めて、捕まえる。なかなか骨のある仕事だった。
「リウはびびりすぎだけどなー」
「う、どーせオレはヘタレですよーだ……」
「ま、これもいい教訓よねー。今度からはもっとしっかり小屋を作らなくっちゃっていう」
「全くだな」
「ま、よくやったぜ。リウも!」
「うわっ」
そう言って何気なくタイガは肩を組んできた。
それにリウは、びく、と過剰に反応を返してしまった。
誰にも気付かれてないだろうか。ちらり、見回した限りだと大丈夫だ、そう思って力を抜こうとして、それでもタイガを変に意識してしまう。こんなのいつも通りのことだというのに、昨日まではどうやって対処していたのか分からなくなってしまっていた。
これも、昨夜のタイガの一言のせいだ。
『好きだ』
『…………はい?』
さっきまでふざけあっていたはずなのに、突然何だか真面目な顔になったタイガに、リウは間抜けた声を返すしかなかった。
じっと、見つめてくる銀灰の目が、不思議な熱を持っているように見えた。気のせいだと思いたい。
一言告げたきり何かを考えるように黙りこくったタイガに、救いを求めるようにリウは自分から声をかけた。
『た、タイガ……それって、どーいう』
『ん? ……わかんねぇ。何かそう思っただけだ』
そう言うと、タイガは真剣な面差しを崩して、いつものようなやんちゃな表情に戻った。
へ? リウはぽかんと取り残されたままだったけれど、すぐ後にぶわあっとまたしても大きな風の音がして、不意をつかれたそれにひゃあっと驚き、タイガはそれを笑い。
それきり、その場はさっきまでと変わらない、いつも通りの空気に戻っていた。
あんなこと言ったことなんて忘れたみたいにタイガの様子は普段どおりに戻っていた。
タイガの『好き』になんて、そんなに深い意味はなかったんだと思う。普通に、友達としての、好き。それ以外に考えられない。
けれどそれならば何故あの時わざわざ口に出したというんだろうか。いくら何でも脈絡がなさ過ぎるし、それに……友達として、だったのならば、タイガも『わかんねぇ』そんな答え方はしないのではないか。
そう考えると、あれはもしかして特別な意味が篭ったものだったのではないかと、そう穿って考えてしまう。
強風の夜を越えて、今日は雲ひとつない晴れ空が広がっていた。
それなのに、嵐の夜を過ぎたというのに、リウだけはあの夜の中に取り残されたみたいだった。
タイガを見ると、一瞬緊張して身を強張らせてしまう。すぐにそんな必要なんてないと力を抜くけれど、タイガの目がこちらを向くとまた、ぎくり。
どうして。
これじゃ、まるで、話に聞く恋みたいなものじゃないか。
「……って、ナイですからっ!!」
一人家路につきながら、自分の思い浮かべた単語に慌てて首を横に振る。
オレが? タイガに? 恋??
ないない、それはない! だって男同士じゃん!
そりゃあ確かにタイガのことは好きだけど、それって友達なんだから当然じゃん!
タイガだってそうに決まってる、のに……。
「あ、れ……?」
それは、当然のことだというのに。
何だか、ずきん、と痛むものがあった。
「何、コレ……?」
(つづくかな)
「リウー、そっち行ったぞ!」
「うわわわ」
「覚悟を決めろ」
「やるのよ、リウ!」
「う」
「そうだ、やってみろ、リウ!」
ジェイル、マリカ、そしてタイガからの声援を受けて、及び腰ながらもリウは覚悟を決めざるを得なかった。迷っている暇はない。他の三人がここに辿り着くにはしばらく時間がかかる。自分しかいないのだ。
勢いをつけて、目の前から逃げ出そうとした羊を上から覆いかぶさるようにつかまえた。腕の中でもがくのを必死に押さえ込む。けれど腕の中の大人羊にとうとう振り落とされそうになった瞬間、それを支えるように横から仲間達の手が伸ばされた。四人にまとめて抱え込まれた羊は、観念したように地に伏せた。
「よっし! 最後の一匹だ!」
「やったわね、リウ!」
「怪我はないか?」
「あ、だいじょぶだいじょぶ」
歓声と心配の声に答えながら、リウは強いて笑ってみせた。
昨日の強風のため、夜が明けて確認したところ、案の定村の何箇所かには被害が出ていた。
村外れの羊小屋にもその被害は及んでいた。小屋の壁に大きく穴が開き、そこから羊が何匹か逃げ出してしまっていたのだ。
どこまで逃げたか分からないそれを捕まえるために、リウ達は朝からずっとそこら中を走り回っていたのだった。それでも村の周りの柵は壊れていなかったのが幸いだった。昨日の補修の効果があったのだろう。
羊飼いに引っ立てられていく最後の羊を見送りながら、四人はその場にへたりこんだ。
「ひえー……にしてもマジで肝が冷えたー」
たかが羊と侮ったものではない。一対一で向き合ってみると、思った以上に力が要る。
探し回って、追い詰めて、捕まえる。なかなか骨のある仕事だった。
「リウはびびりすぎだけどなー」
「う、どーせオレはヘタレですよーだ……」
「ま、これもいい教訓よねー。今度からはもっとしっかり小屋を作らなくっちゃっていう」
「全くだな」
「ま、よくやったぜ。リウも!」
「うわっ」
そう言って何気なくタイガは肩を組んできた。
それにリウは、びく、と過剰に反応を返してしまった。
誰にも気付かれてないだろうか。ちらり、見回した限りだと大丈夫だ、そう思って力を抜こうとして、それでもタイガを変に意識してしまう。こんなのいつも通りのことだというのに、昨日まではどうやって対処していたのか分からなくなってしまっていた。
これも、昨夜のタイガの一言のせいだ。
『好きだ』
『…………はい?』
さっきまでふざけあっていたはずなのに、突然何だか真面目な顔になったタイガに、リウは間抜けた声を返すしかなかった。
じっと、見つめてくる銀灰の目が、不思議な熱を持っているように見えた。気のせいだと思いたい。
一言告げたきり何かを考えるように黙りこくったタイガに、救いを求めるようにリウは自分から声をかけた。
『た、タイガ……それって、どーいう』
『ん? ……わかんねぇ。何かそう思っただけだ』
そう言うと、タイガは真剣な面差しを崩して、いつものようなやんちゃな表情に戻った。
へ? リウはぽかんと取り残されたままだったけれど、すぐ後にぶわあっとまたしても大きな風の音がして、不意をつかれたそれにひゃあっと驚き、タイガはそれを笑い。
それきり、その場はさっきまでと変わらない、いつも通りの空気に戻っていた。
あんなこと言ったことなんて忘れたみたいにタイガの様子は普段どおりに戻っていた。
タイガの『好き』になんて、そんなに深い意味はなかったんだと思う。普通に、友達としての、好き。それ以外に考えられない。
けれどそれならば何故あの時わざわざ口に出したというんだろうか。いくら何でも脈絡がなさ過ぎるし、それに……友達として、だったのならば、タイガも『わかんねぇ』そんな答え方はしないのではないか。
そう考えると、あれはもしかして特別な意味が篭ったものだったのではないかと、そう穿って考えてしまう。
強風の夜を越えて、今日は雲ひとつない晴れ空が広がっていた。
それなのに、嵐の夜を過ぎたというのに、リウだけはあの夜の中に取り残されたみたいだった。
タイガを見ると、一瞬緊張して身を強張らせてしまう。すぐにそんな必要なんてないと力を抜くけれど、タイガの目がこちらを向くとまた、ぎくり。
どうして。
これじゃ、まるで、話に聞く恋みたいなものじゃないか。
「……って、ナイですからっ!!」
一人家路につきながら、自分の思い浮かべた単語に慌てて首を横に振る。
オレが? タイガに? 恋??
ないない、それはない! だって男同士じゃん!
そりゃあ確かにタイガのことは好きだけど、それって友達なんだから当然じゃん!
タイガだってそうに決まってる、のに……。
「あ、れ……?」
それは、当然のことだというのに。
何だか、ずきん、と痛むものがあった。
「何、コレ……?」
(つづくかな)
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