だらだら日記
基本的に結構カオスなつれづれ日記。同人耐性のない方はご遠慮ください。
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Twins 番外編~おかえりとただいま~
久しぶりのTwinsです。明日以降の元気次第で続くかも続かないかもなSSです。出来たら続きを書きたいです。
※Twins=二期終了後、ティエリアとリジェネがヴェーダで一緒に暮らしているSSシリーズ。当然の如くアレティエ前提。
「あ……」
ふと触れた日付データに、ティエリアは一瞬気を取られた。
その瞬間、データの流れが乱れる。それにすかさず共に在る存在が気付き、反応を返してきた。
「どうしたのティエリア? 別におかしなデータじゃないよね、それ」
ていうかただのカレンダーじゃないのさ。
不思議そうに問いかけられて、ティエリアはリジェネに小さく返した。
「何でもない」
「……怪しい」
思うが早くリジェネはその日付に関連したデータを――主にティエリアがいた頃のソレスタルビーイングのデータを探り始める。
そしてその答えはあっさりと発見されることになった。
「……ああ、そういうこと」
見つけた瞬間に興味をなくしたようにリジェネはそのデータから手を引いた。
『これ』は、ティエリアにとって大切な想い出なのだろう。
けれどリジェネにとってはそうではない。
だから今見たデータはゴミ箱に捨てて、その一方で思考の流れが懐古に向かい始めたティエリアの分もデータの流れを捌き始めるのだった。
「……全く、やってられないね」
ティエリア本人は気付いていない。
けれどさっきから、無意識にその文字列を垂れ流してきている。
リジェネにとってはもう慣れたこと、けれど今日のそれは一段と根深いように思えて、だから余計な口は挟まないようにするのだった。
気にしない振りをして、作業を続ける今も、けれどそれは流れてくる。
――アレルヤ……
それは、ティエリアの大切な人間の名前。
そう、今日の日付は、ティエリアにとって忘れもしない。
彼が、帰ってきた日。
『おかえり、アレルヤ』
『――ああ、ただいま』
今より過去の、今日の日の記録。
それを記憶として想い出しながらティエリアは、『笑んだ』。
実体なきその身なれど、それはまさしくあの時と同じ笑みだった。
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