だらだら日記
基本的に結構カオスなつれづれ日記。同人耐性のない方はご遠慮ください。
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香る話。(00)
原稿合間の気分転換と称した00小話。
アレティエ。一応一期時軸。
「蚊の話」と同日発生していたけれど、色々ごたごたしていたら書くのが今になったという話です。
ネタ元:某お友達がお香を焚いたとかそういう話を聞いた辺り。
アレティエ。一応一期時軸。
「蚊の話」と同日発生していたけれど、色々ごたごたしていたら書くのが今になったという話です。
ネタ元:某お友達がお香を焚いたとかそういう話を聞いた辺り。
香る話。
ティエリアがアレルヤの部屋に入った時、そこには不思議な香りが充満していた。
「何だ、この匂いは」
嗅ぎ慣れない匂いに、ティエリアは鼻を曲げた。様々な抽出物が交じり合った複雑な匂いだ。
その声に、部屋の奥にいたアレルヤは笑顔で振り返った。
「あ、ティエリア。ちょっとね、お香を焚いてみたんだ」
「香?」
「うん。リラックスして、集中できるんだって。クリスティナに教えてもらったんだ」
クリスティナに、の一言にちょっと機嫌を損ねながら、ティエリアは素直な感想を口にした。
「……くさい」
「え、いい匂いじゃない?」
「よくない」
「そっかなあ……?」
ティエリアに指摘されて、困ったように自分の周りを嗅ぎ回る。
そのアレルヤに、その胸元に、ティエリアは顔を寄せた。
くん、と嗅ぐと、濃い香の匂いの中から嗅ぎ慣れた匂いを感じ取れて、ほっとする。
「ティ、ティエリア……??」
「……俺は、これでいい」
自分の胸元に落とされた小さな呟きに、アレルヤはどっきーんとなった。
その言葉と仕草が意図してのものかそうでないのか判別はつかないけれど、それがどちらでも大した違いはない。
それが、アレルヤを煽るものだったという一点においては。
「もう……そんな、可愛いこと言ってると」
「言っていると?」
どこか面白そうに問いかけるその耳に、アレルヤは深い溜息を吐いて。
「……抱きたくなる」
低い声音の囁きは、心くすぐる艶を含んだもの。
けれどティエリアはそれに対して、どきっぱりと答えてきた。
「無理だな」
「う。……分かってます。ミッション前だものね……」
そもそも、だからこそリラックスして集中するために香を焚くなんてことを試みていたのだった。
その効果があったのかどうなのか、ティエリアの介入のおかげでもはやさっぱり分からなくなっているのだが。
「分かっているならばいい」
用は済んだとばかりに踵を返したティエリアの腕を、アレルヤは慌てて掴んだ。
ふ、と赤い瞳が不思議そうに見上げてくる。
あ、と思って。思ったと同時にその欲望を口にしていた。
「じゃあ、キスだけ」
「……それだけで、終わるのか?」
「う。信用ないね」
「この点についてだけはな」
「……他は信じてくれてるの?」
「っ言葉の綾だ!」
言葉尻を捕らえたアレルヤのからかいに、ティエリアは拗ねたように怒った。
本当に、ティエリアは可愛い。
そんなことを思ったアレルヤは、今度は問いかけることなく彼へと顔を寄せて行き。
それを、避けられる様子は、なくて。
――あ、ティエリアの匂い。好きだな……
そうして、唇同士が、触れ合う寸前に。
『はいはーい、お二人さーん。そろそろコンテナ待機に移ってもらえませんかぁー?』
と、聞こえてきたオペレーターの声によって、二人はばばばっと身を離した。
「……アレルヤ・ハプティズム。ミッションへ向かう」
「う。了解」
「行くぞ」
「はーい。……それじゃ、戻ったら、ね」
「……」
何も聞こえなかったかのように反応の返らないティエリアだったけれど、斜め後ろから覗いて見えた頬は、赤く染まっていた。
(アレティエの甘々に、途中から部屋の香りもどっかに吹っ飛んだようです)
ティエリアがアレルヤの部屋に入った時、そこには不思議な香りが充満していた。
「何だ、この匂いは」
嗅ぎ慣れない匂いに、ティエリアは鼻を曲げた。様々な抽出物が交じり合った複雑な匂いだ。
その声に、部屋の奥にいたアレルヤは笑顔で振り返った。
「あ、ティエリア。ちょっとね、お香を焚いてみたんだ」
「香?」
「うん。リラックスして、集中できるんだって。クリスティナに教えてもらったんだ」
クリスティナに、の一言にちょっと機嫌を損ねながら、ティエリアは素直な感想を口にした。
「……くさい」
「え、いい匂いじゃない?」
「よくない」
「そっかなあ……?」
ティエリアに指摘されて、困ったように自分の周りを嗅ぎ回る。
そのアレルヤに、その胸元に、ティエリアは顔を寄せた。
くん、と嗅ぐと、濃い香の匂いの中から嗅ぎ慣れた匂いを感じ取れて、ほっとする。
「ティ、ティエリア……??」
「……俺は、これでいい」
自分の胸元に落とされた小さな呟きに、アレルヤはどっきーんとなった。
その言葉と仕草が意図してのものかそうでないのか判別はつかないけれど、それがどちらでも大した違いはない。
それが、アレルヤを煽るものだったという一点においては。
「もう……そんな、可愛いこと言ってると」
「言っていると?」
どこか面白そうに問いかけるその耳に、アレルヤは深い溜息を吐いて。
「……抱きたくなる」
低い声音の囁きは、心くすぐる艶を含んだもの。
けれどティエリアはそれに対して、どきっぱりと答えてきた。
「無理だな」
「う。……分かってます。ミッション前だものね……」
そもそも、だからこそリラックスして集中するために香を焚くなんてことを試みていたのだった。
その効果があったのかどうなのか、ティエリアの介入のおかげでもはやさっぱり分からなくなっているのだが。
「分かっているならばいい」
用は済んだとばかりに踵を返したティエリアの腕を、アレルヤは慌てて掴んだ。
ふ、と赤い瞳が不思議そうに見上げてくる。
あ、と思って。思ったと同時にその欲望を口にしていた。
「じゃあ、キスだけ」
「……それだけで、終わるのか?」
「う。信用ないね」
「この点についてだけはな」
「……他は信じてくれてるの?」
「っ言葉の綾だ!」
言葉尻を捕らえたアレルヤのからかいに、ティエリアは拗ねたように怒った。
本当に、ティエリアは可愛い。
そんなことを思ったアレルヤは、今度は問いかけることなく彼へと顔を寄せて行き。
それを、避けられる様子は、なくて。
――あ、ティエリアの匂い。好きだな……
そうして、唇同士が、触れ合う寸前に。
『はいはーい、お二人さーん。そろそろコンテナ待機に移ってもらえませんかぁー?』
と、聞こえてきたオペレーターの声によって、二人はばばばっと身を離した。
「……アレルヤ・ハプティズム。ミッションへ向かう」
「う。了解」
「行くぞ」
「はーい。……それじゃ、戻ったら、ね」
「……」
何も聞こえなかったかのように反応の返らないティエリアだったけれど、斜め後ろから覗いて見えた頬は、赤く染まっていた。
(アレティエの甘々に、途中から部屋の香りもどっかに吹っ飛んだようです)
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