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だらだら日記

基本的に結構カオスなつれづれ日記。同人耐性のない方はご遠慮ください。

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水着。

密かに日曜日から頭の中にこびりついていた話。
メディアの水着ネタからの派生です。
一応、両思いアレティエ前提(前提だけは)。
ギャグなんだと思います。

   水着選び。

「明日は皆で海に行きましょ!」

地上での休暇中。スメラギの鶴の一声でそれは始まった。

「ということで、各自水着を用意しておいて頂戴。持ってない人は、今日の内に買ってくること!」

突然の彼女の提案に否やを唱えようと、すぐさま「何よ、私達の水着姿ばっかり見るなんてずるいじゃないの~」とか言い返される。それじゃ見ませんから、と言おうとも、「駄目よ、皆で海に行く、これは決定事項☆」と理不尽な主張を繰り返されるばかり。

ということで、その日の午後、マイスター四人は水着売り場へとやってきました。

「へえ……色々売ってるんですね」
「ああ、流石別荘地だな」

アレルヤが驚きの声を上げたように、確かにそこには豊富な種類の水着が揃っていた。
やはり華やかなのは女性客のきゃっきゃした声の聞こえてくる女物売り場であったが、それと隣接した男物売り場もなかなかの広さがあり、いかにもセレブリティ御用達、といったような質の良い(水着の質なんて四人の誰も分かりはしなかったが)ものが並んでいる……んだろう、多分。とりあえずなかなかなお値段で、種類も豊富なのは間違いなかった。まあ、資金援助も受けてきたので金銭面で困ることはない。

それにしても。ティエリアは呆れた息を吐いた。
何でスメラギの理不尽な提案に付き合わなくてはならないのかとさっきからずっと絶賛不機嫌中で、これでアレルヤが一緒に出かけるのでなければ絶対外出などしなかっただろう、そんなティエリアであったが、今現在は不機嫌な顔の下で密かに驚き呆れていた。
ただ水に入って泳ぐためのはずなのに、本当に様々な形状の水着がある。それはそれで水中での抵抗力云々関係するのかもしれないが、無駄に様々な色模様があるのは何なのだろうか。水着は露出も多いし、もしや熱帯の鳥なんかのように異性でも惹き付けようという魂胆か。この推測もあながち間違っていないだろう。スメラギ・李・ノリエガやクリスティナ・シエラが水着姿でいると、リヒテンダール・ツエーリなんかはよく鼻の下を伸ばしただらしない顔つきになっているからして、その逆もあるのかもしれない。
確かにアレルヤの身体などは特に見ごたえがあるだろう、と納得して頷いたティエリアは、傍から見ると難解な思索に没頭しているようにも見えた。

「どうしたの、ティエリア?」

そんなティエリアを見て今の理不尽な状況に腹を立てていると思ったのだろう、アレルヤは至極優しい声で首を傾げた。そんなアレルヤの顔を見て思索を投げ捨てたティエリアは、ようやく周りが目に入り始めた。
気付けばロックオンと刹那はすでに二人を置いて水着選びに向かっている。入り口付近にぽつんと残っているのは二人だけだった。

「早く選んじゃわないとロックオンにせかされるよ?」
「そう言う君はもう決まったのか?」
「その逆。……こんなにあると、やっぱりどうしようか迷っちゃうからね」
「そういうものか」

ティエリアは迷わない。というか、どうでもいい。スメラギの意のままに水着を買って帰るなど本当にするつもりもなかった。海に入って泳ぐつもりもないのだから、水着を買うだけ無駄、故に買う必要はない。
けれど生真面目なアレルヤは、真面目に迷っているらしい。

「ねえ、どんなのがいいと思う?」
「俺が選ぶのか?」
「選んでくれるの!?」
「……そうだな」

何だか嬉しそうなアレルヤの声を聞いて悪い気はしない。ティエリアは、何気なく目に留まった水着を引っ張った。
それは、アレルヤのシンボルカラーである橙色のゆったりとした水着だった。が、それを見たアレルヤは変に顔を引きつらせた。

「それは、僕にはちょっと、派手だよ」
「そうか」

その水着を手に取ったのに深い理由があるわけではなかった。ただ、橙色が目に付いただけで。ティエリアはすんなり手を離すと、改めてずらりと並ぶ水着を見渡した。
確かに、橙色はアレルヤのシンボルカラーではあるけれど、それは組織が彼に割り当てたものであって、彼が選んだものではない。
むしろアレルヤが自分で選んで着ている私服は、地味な色合いのものが多かった。
今もそうだ。
黒の、身体にぴったりとフィットしたシャツ。
細身のジーンズも黒だし、足元のブーツだって色味を抑えた茶色。
そして、それらから導き出される、アレルヤの好みとは。

「……これだな」
「え、どれ?」

自信ありげにティエリアが手に取ったのに、アレルヤはどきどきわくわく手元を覗き込んだ。
そして、ちょっと、凍りついた。

「どうした?」

ティエリアの手にあったのは、黒の、ビキニタイプの水着だった。

「君の好みだろう?」
「……え?」

黒色で、ぴちぴち。
ティエリアなりに真剣に導き出した結論だったのだが、アレルヤはすごく困ったような顔をしていたので、ティエリアは不思議そうに首を傾げた。「俺の答えが間違っていたのか?」無表情が少し不安そうに見えるのは、アレルヤの目にフィルター(その名を惚れた欲目などと言う)がかかっているせいだけではないと思われた。
なので、アレルヤは慌ててティエリアの差し出しているそれを受け取った。

「あ、ありがとう、ティエリア」

礼を言うと、ティエリアの顔に今度は喜びが見えた。それは些細な表情の変化だったが、アレルヤはぐらっときた。
こんな顔を見て、断れるわけが、ない。
ましてやティエリアが僕の好みを真剣に推し量って選んでくれたんだから尚更断ることなんて出来るだろうかいや出来ない。ちょっと、これはこれで恥ずかしいと思っているなんて今更言えようはずがない。
(情けねえの……)
もはやハレルヤすらツッコミを入れるのを諦めていた。
そのまま、引き返すことも出来ず、アレルヤはレジに向かうのであった。

(思いつきの話でしたー!)
(あの水着、アレルヤが自分で選んだんでもオールオッケーですが!)
(ティエが真面目に選んじゃったりしたら面白いっていうか可愛い気がしたんです……!)
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