だらだら日記
基本的に結構カオスなつれづれ日記。同人耐性のない方はご遠慮ください。
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冬の朝
そろそろ寒い季節です。
という辺りからの思いつきで、アレティエSSです。
という辺りからの思いつきで、アレティエSSです。
意識が浮上して、緩く瞼を持ち上げた。
夢から覚めて感じるのは、身体を抱く腕の温かさと、それと対照的な外気の冷たさ。
その対比にティエリアは朝から機嫌を損ねた。
それでも朝になったからには起きなくてはと、いくらか億劫に思いながらも身動ぎすると、出来た隙間から冷たい空気が侵入してきて身を縮める。
そうする間に、そうだ今日は休みなのだと思い出し、ティエリアは動くことを止めて身体を丸めて毛布と、彼の腕とを引き寄せた。
筋肉に包まれた腕は、ティエリアのそれよりも大分温かい。今は眠っているからか、余計に温かい気がする。よい温石の代わりになる。ずっとこの腕の中にあったから、眠っている間は寒さなんて感じなかったのだ。
だのに、目覚めて感じたこの部屋の寒さは。
(アレルヤめ……空調の設定を忘れたのか……)
静かに寝息を立てている顔をちらりと恨みがましく見上げたが素知らぬ顔でアレルヤは寝続けていた。叩き起こしてやろうかとも一瞬考えたけれど、幸せそうな顔を見ているとそれも気が咎められて、やめた。
しかし、確かに昨夜はこの部屋の空調を確認するどころではなかった……確認する間もなくベッドへ雪崩れ込んでいたのではあるが、よもやこの冬の朝に暖房の予約を入れ忘れるとは。何たる間抜け。
とは言え、肌寒い思いをして身体を外気にさらして暖房を付けるなんてこと、進んでしたいものではない。
休み、とは言え自堕落な生活は嫌だというのに。
これも、アレルヤのせいだからな。
この腕が、アレルヤが、間抜けで温かいのがいけない。
そしてティエリアは、外気に触れる部分を減らすように自分を包む腕を頬を覆うように動かして、額は目の前にあった胸にすり寄せた。
よし、温かい。
確認するとそのまま目を閉じる。
額に感じた彼の鼓動が、少し速いのには気付かないまま、再び眠りについていった。
「……予想以上、だなぁ……」
それまで狸寝入りを決め込んでいたアレルヤは、ティエリアが二度寝につくと小さく呟きを漏らした。
休みの朝くらい、たまには恋人らしくくっついたまま昼近くまで寝ていたい。
几帳面なティエリアは休みでも目覚めたからには普段どおりに起き出そうとするものだけれど、寒さに弱い彼のこと、暖房がついていない室内に進んで起き出そうとはしない、かもしれない。
それでも多分、一人きりなら自分で何とかしようとしたかもしれない。けれど今はアレルヤがいるから、違うかもしれない。
そんな賭けが成功した――それも思ったより、可愛い方向に。
「参ったな……」
誇り高く人を寄せ付けないティエリア・アーデ。
そんな彼に甘えられる恋人であれるという事実は、重く、それ以上に幸せな事実であった。
自分の腕を引き寄せながら眠りについた横顔を見ながら、アレルヤは微笑んだ。
そしてその額に軽い口づけを落とすと、彼を起こさぬ程度に力を込めて抱き締めて、そうして幸せな休みの朝を過ごすのだった。
夢から覚めて感じるのは、身体を抱く腕の温かさと、それと対照的な外気の冷たさ。
その対比にティエリアは朝から機嫌を損ねた。
それでも朝になったからには起きなくてはと、いくらか億劫に思いながらも身動ぎすると、出来た隙間から冷たい空気が侵入してきて身を縮める。
そうする間に、そうだ今日は休みなのだと思い出し、ティエリアは動くことを止めて身体を丸めて毛布と、彼の腕とを引き寄せた。
筋肉に包まれた腕は、ティエリアのそれよりも大分温かい。今は眠っているからか、余計に温かい気がする。よい温石の代わりになる。ずっとこの腕の中にあったから、眠っている間は寒さなんて感じなかったのだ。
だのに、目覚めて感じたこの部屋の寒さは。
(アレルヤめ……空調の設定を忘れたのか……)
静かに寝息を立てている顔をちらりと恨みがましく見上げたが素知らぬ顔でアレルヤは寝続けていた。叩き起こしてやろうかとも一瞬考えたけれど、幸せそうな顔を見ているとそれも気が咎められて、やめた。
しかし、確かに昨夜はこの部屋の空調を確認するどころではなかった……確認する間もなくベッドへ雪崩れ込んでいたのではあるが、よもやこの冬の朝に暖房の予約を入れ忘れるとは。何たる間抜け。
とは言え、肌寒い思いをして身体を外気にさらして暖房を付けるなんてこと、進んでしたいものではない。
休み、とは言え自堕落な生活は嫌だというのに。
これも、アレルヤのせいだからな。
この腕が、アレルヤが、間抜けで温かいのがいけない。
そしてティエリアは、外気に触れる部分を減らすように自分を包む腕を頬を覆うように動かして、額は目の前にあった胸にすり寄せた。
よし、温かい。
確認するとそのまま目を閉じる。
額に感じた彼の鼓動が、少し速いのには気付かないまま、再び眠りについていった。
「……予想以上、だなぁ……」
それまで狸寝入りを決め込んでいたアレルヤは、ティエリアが二度寝につくと小さく呟きを漏らした。
休みの朝くらい、たまには恋人らしくくっついたまま昼近くまで寝ていたい。
几帳面なティエリアは休みでも目覚めたからには普段どおりに起き出そうとするものだけれど、寒さに弱い彼のこと、暖房がついていない室内に進んで起き出そうとはしない、かもしれない。
それでも多分、一人きりなら自分で何とかしようとしたかもしれない。けれど今はアレルヤがいるから、違うかもしれない。
そんな賭けが成功した――それも思ったより、可愛い方向に。
「参ったな……」
誇り高く人を寄せ付けないティエリア・アーデ。
そんな彼に甘えられる恋人であれるという事実は、重く、それ以上に幸せな事実であった。
自分の腕を引き寄せながら眠りについた横顔を見ながら、アレルヤは微笑んだ。
そしてその額に軽い口づけを落とすと、彼を起こさぬ程度に力を込めて抱き締めて、そうして幸せな休みの朝を過ごすのだった。
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