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だらだら日記

基本的に結構カオスなつれづれ日記。同人耐性のない方はご遠慮ください。

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僕が君に触れるまでの距離。

何か自分でもよく分からないのですが、衝動的に思いつくままにアレ→ティエ小話。
おとめちっくです?


   僕が君に触れるまでの距離。

ティエリア。

そう、名前を呼ぶだけでいいんだ。
名前を呼べば君は振り返ってくれるはず。
綺麗な純粋な赤い瞳で真っ直ぐ僕を見て、「何の用だ、アレルヤ・ハプティズム」、仕方がなさそうにそう言う声まで、ほら、簡単に想像できてしまう。
僕はそれに対して、あらかじめ用意していた口実を口にすればいい。
さっきのシミュレーションについて、とか新しい戦略プランについて、とか、そんな話ならば君は耳を傾けてくれる。
僕はそんな話ばかりしたいわけはないのだけれど、それでも君の声を長く聞いていられるのなら、君が望む話題を提供するよ。

だから、僕はその綺麗な名前を口にするだけでいいのに。

けれど、いざ君の姿が目に入ると、僕の身体は僕の言う事を聞かなくなる。
こんな時ばっかり無駄に早く、しかも悲観的に、思考ばかりが回転する。

それでも、大きく深呼吸して、勇気を振り絞る。
けれど、いざ口を開こうとすると喉がからからに乾いていて、ごくり、一旦唾を飲み込む。
そのちょっとの間にも、勇気はしぼんで不安が膨れだしてきた。
こんな状態で、果たしてちゃんと声を出せるのかどうか。変な声を出してしまったらどうしよう。
それにもしかしたら何か重要な事を考えている最中かもしれない。
それなのに僕が話しかけて、それで思索を邪魔された君が機嫌を悪くしたりしたら、どうしよう。
もう慣れた振りはしているけれど、本当は君にちょっとでも嫌そうな顔をされたりしたら、それだけでかなりショックなんだ。
そう、考えるだけで手がじっとり湿ってくる。緊張、してくる。
この場からは一旦撤退して、出直してきた方がいいのかもしれない。
(逃げんのかよ手前)
ハレルヤの声なんか、もう気にしていられない。
すっごく、すっごく、息をするのも苦しくなってきて、駄目だ、僕は踵を返そうとした。

けれど。

右向け右、返しかけた踵を再び、左向け左。
元の位置に戻って、僕はまた、自分を勇気付けるように大きく息を吸い込んだ。

君に変に思われたらどうしよう。嫌がられたらどうしよう。
ずっとそんな事は頭にこびりついている、けれど。
それでも。
僕を見て欲しいから。
僕がここにいて、君を見ている事を知って欲しいから。

「ティエリア」

思ったよりすんなり呼べた名前に、君が振り返るのにあと三秒。
その時君がどんな表情を浮かべているのか、心臓に悪い、まるで永遠みたいな時間。
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