だらだら日記
基本的に結構カオスなつれづれ日記。同人耐性のない方はご遠慮ください。
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やけど
しばらく話を書いていないと調子が狂うなあと思っていたらちょっと思いついたから思いついたままに書いてみた話。
アレティエです。まごうことなくアレティエです。デレティエです。
いやさ、さっきコーヒーを飲んでいたら熱くて舌をやけどしたんですね。まだひりひりしているんですね。
そんなネタ元ですが、まあ、話の方は普通によく分からんですけど甘めのアレティエになっていると思います。
やけど
喉が渇いて、ふと、紅茶が飲みたくなった。
ティエリアは一旦そのことを口に出そうとして、けれど止めた。
代わりに黙ったまま、部屋の中を見回す。ティーカップ、ティーポット……今のティエリアの技量ではそれらをもって自分が満足できる紅茶を入れることは困難だと、自覚していた。
そのため、仕方がないが今回は手軽なティーバッグで済ませることにする。こちらの方が操作が単純で、間違いがない。
あまり深く考えないで、彼らしくなくぼうっとした頭でティエリアはそう決めると、ぼうっとティーバッグを取り出して、ぼうっとマグカップに入れた。
そしてぼうっとしたままカップに電気ポットから湯を注ぎ、ぼうっと、何となくの目分量で湯を止めた。
透明な湯に広がる紅い色はどうでもよくて、ティエリアの目がさっきからずっとぼうっと見つめ続ける先には、珍しい、貴重な彼の寝顔。
まだ昼の時間だと言うのに、今、アレルヤは、眠っていた。
任務の関係で昨夜が遅かった――というよりも、解放されたのが日が昇って大分経つ時間だったから、だろう。
そこまで知らなかったティエリアが彼の部屋に押しかけた時には、絶対まだ寝ていたはずなのだ。そんなこと言わずにアレルヤはティエリアを迎えたけれど。
それでも、彼に残る疲労を感じ取ったティエリアはすぐにアレルヤに眠るよう命じた。それでも笑ってはぐらかそうとしたアレルヤに、ゆうらゆら、と、何処かで覚えてきた催眠術を施せば、すぐに彼の瞼は降りて行った。
その寝顔を、ティエリアはずっと、眺め続けていた。
アレルヤの身体はティエリアよりも睡眠が少なくて事足りる。だからその寝顔を見る機会というのは少ない。
そもそも二人とも別の部屋なのだし、一緒の部屋で寝るなんていう時には絶対ティエリアの方が先に眠り、起きた時にはアレルヤはもう目覚めている。
ティエリアもそうだけれど同じ位規則正しい生活が習慣づいているアレルヤが今、こうして昼に寝ているなんてのは、実に珍しいことなのだった。
珍しい彼の寝顔。見ていて不思議と飽きることがない。彼が目覚めている時などはやはり気恥ずかしくてこうも見つめ続けるなんて出来ないのだけれど、今は視線が返されることもないので思うように存分に眺め続けることができた。
そうすると、何だか胸がほわ、と温かくなる。それと一緒に不思議と、ちり、と焦げ付くような情動も湧き上がってきて、それはまるで長引いた火傷の跡のように感じた。
そうだ、恋というものは、性質の悪い火傷のようなものなのかもしれない。
自分の思い浮かべたおかしな喩えに、ティエリアは笑った。嫌な笑いではなかった。
けれど、しばらく動かずに彼の寝顔を見つめていたけれど、その内に徐々に喉が渇いてきて。
いつもならばアレルヤが飲み物を淹れてくれるのだけれど、今の彼を起こすことは忍びなく、かといって部屋を出て食堂に行くなんてことは論外だ。
なのでティエリアは自分で紅茶を淹れて飲むことにしたのだった。
ぼうっとしたまま、さっきから座っていたアレルヤの椅子に戻って、ベッド際で彼の顔を見て、カップを口に運ぶ。
そして一口、淹れたばかりの紅茶を口に含んで。
ちりりっ。
「!!」
ティエリアはカップを取り落としそうになった。
口の中が、熱い。舌が、ひりひりする。不快だ。
何が起きたのか、すぐに分かった。何も考えずに入れた湯が熱すぎた。これは、正真正銘の火傷、だ。
馬鹿なことを考えていて火傷をしたなんて、己の失態にティエリアは眉をひそめた。
その間にも、ちりり、舌が痛む。
反射的に目の端に涙を浮かべて、むう、と顔をしかめて、思わずアレルヤに八つ当たりしたくなった。
自分がこんなに嫌な思いをしているのに、どうしてこの男はぐうぐう眠っていられるんだ!
と、そんな思いが果たして伝わったのか。
「ティエリア? どうしたの」
眠っていたはずのアレルヤが、目を、開けた。
「あれ、るや」
「どうしたの? 痛そうな顔」
「しら」
「舌?」
ティエリアが舌足らずに告げると、「舌をどうしたの?」自分も痛そうに顔を歪めて、アレルヤは心配そうにティエリアの顔を覗き込んだ。
「やへろをしら」
「ああ……ティエリア、猫舌だからね」
いつもならばアレルヤが淹れる飲み物は温度を調整してあるし、そうじゃなくてもティエリアは自分で気をつけるようにしているが、今日はアレルヤの寝顔に見入るばかりに気をとられてそんなことまで気にしていられなかった。
「痛い?」
「いひゃい」
ぶう、と不機嫌そうな顔で、少し涙を浮かべたままティエリアが言うと、アレルヤはちょっと困ったように笑って、不意に顔を近付けてきた。彼がなそうとすることを察したティエリアは、自然と瞼を閉じていた。
「ん……っ」
唇が重ねられて、舌を触れ合わされる。寝起きでいつもより乾いた口中、ざらり、とした舌の感触に触れられて痛い、のと一緒に、ぞわり、何かが身体の中で目覚めるような感覚。
それは、徐々に痛みを侵略して、じりじりと熱く身を焦がすようになっていく。
「……まだ、痛い?」
一度離れた唇から、掠れた声が訊いて来た。それに潤んだ瞳で頷けば、再び重ねられる唇。
痛みは、もう、紛れてしまって感じない。
さっきまで、ちり、と少し焼けるようだった胸は、もっと焦げ付くような熱さになって、その熱は全身を覆いつくしていった。
焼け付くような熱さを帯びる心と身体。
この火傷は、何時治るのかも知れない。
ああ、本当に――性質が悪い。
(一期か二期かは考えていないけれど一応本編軸のつもり。でも何でもいいや)
喉が渇いて、ふと、紅茶が飲みたくなった。
ティエリアは一旦そのことを口に出そうとして、けれど止めた。
代わりに黙ったまま、部屋の中を見回す。ティーカップ、ティーポット……今のティエリアの技量ではそれらをもって自分が満足できる紅茶を入れることは困難だと、自覚していた。
そのため、仕方がないが今回は手軽なティーバッグで済ませることにする。こちらの方が操作が単純で、間違いがない。
あまり深く考えないで、彼らしくなくぼうっとした頭でティエリアはそう決めると、ぼうっとティーバッグを取り出して、ぼうっとマグカップに入れた。
そしてぼうっとしたままカップに電気ポットから湯を注ぎ、ぼうっと、何となくの目分量で湯を止めた。
透明な湯に広がる紅い色はどうでもよくて、ティエリアの目がさっきからずっとぼうっと見つめ続ける先には、珍しい、貴重な彼の寝顔。
まだ昼の時間だと言うのに、今、アレルヤは、眠っていた。
任務の関係で昨夜が遅かった――というよりも、解放されたのが日が昇って大分経つ時間だったから、だろう。
そこまで知らなかったティエリアが彼の部屋に押しかけた時には、絶対まだ寝ていたはずなのだ。そんなこと言わずにアレルヤはティエリアを迎えたけれど。
それでも、彼に残る疲労を感じ取ったティエリアはすぐにアレルヤに眠るよう命じた。それでも笑ってはぐらかそうとしたアレルヤに、ゆうらゆら、と、何処かで覚えてきた催眠術を施せば、すぐに彼の瞼は降りて行った。
その寝顔を、ティエリアはずっと、眺め続けていた。
アレルヤの身体はティエリアよりも睡眠が少なくて事足りる。だからその寝顔を見る機会というのは少ない。
そもそも二人とも別の部屋なのだし、一緒の部屋で寝るなんていう時には絶対ティエリアの方が先に眠り、起きた時にはアレルヤはもう目覚めている。
ティエリアもそうだけれど同じ位規則正しい生活が習慣づいているアレルヤが今、こうして昼に寝ているなんてのは、実に珍しいことなのだった。
珍しい彼の寝顔。見ていて不思議と飽きることがない。彼が目覚めている時などはやはり気恥ずかしくてこうも見つめ続けるなんて出来ないのだけれど、今は視線が返されることもないので思うように存分に眺め続けることができた。
そうすると、何だか胸がほわ、と温かくなる。それと一緒に不思議と、ちり、と焦げ付くような情動も湧き上がってきて、それはまるで長引いた火傷の跡のように感じた。
そうだ、恋というものは、性質の悪い火傷のようなものなのかもしれない。
自分の思い浮かべたおかしな喩えに、ティエリアは笑った。嫌な笑いではなかった。
けれど、しばらく動かずに彼の寝顔を見つめていたけれど、その内に徐々に喉が渇いてきて。
いつもならばアレルヤが飲み物を淹れてくれるのだけれど、今の彼を起こすことは忍びなく、かといって部屋を出て食堂に行くなんてことは論外だ。
なのでティエリアは自分で紅茶を淹れて飲むことにしたのだった。
ぼうっとしたまま、さっきから座っていたアレルヤの椅子に戻って、ベッド際で彼の顔を見て、カップを口に運ぶ。
そして一口、淹れたばかりの紅茶を口に含んで。
ちりりっ。
「!!」
ティエリアはカップを取り落としそうになった。
口の中が、熱い。舌が、ひりひりする。不快だ。
何が起きたのか、すぐに分かった。何も考えずに入れた湯が熱すぎた。これは、正真正銘の火傷、だ。
馬鹿なことを考えていて火傷をしたなんて、己の失態にティエリアは眉をひそめた。
その間にも、ちりり、舌が痛む。
反射的に目の端に涙を浮かべて、むう、と顔をしかめて、思わずアレルヤに八つ当たりしたくなった。
自分がこんなに嫌な思いをしているのに、どうしてこの男はぐうぐう眠っていられるんだ!
と、そんな思いが果たして伝わったのか。
「ティエリア? どうしたの」
眠っていたはずのアレルヤが、目を、開けた。
「あれ、るや」
「どうしたの? 痛そうな顔」
「しら」
「舌?」
ティエリアが舌足らずに告げると、「舌をどうしたの?」自分も痛そうに顔を歪めて、アレルヤは心配そうにティエリアの顔を覗き込んだ。
「やへろをしら」
「ああ……ティエリア、猫舌だからね」
いつもならばアレルヤが淹れる飲み物は温度を調整してあるし、そうじゃなくてもティエリアは自分で気をつけるようにしているが、今日はアレルヤの寝顔に見入るばかりに気をとられてそんなことまで気にしていられなかった。
「痛い?」
「いひゃい」
ぶう、と不機嫌そうな顔で、少し涙を浮かべたままティエリアが言うと、アレルヤはちょっと困ったように笑って、不意に顔を近付けてきた。彼がなそうとすることを察したティエリアは、自然と瞼を閉じていた。
「ん……っ」
唇が重ねられて、舌を触れ合わされる。寝起きでいつもより乾いた口中、ざらり、とした舌の感触に触れられて痛い、のと一緒に、ぞわり、何かが身体の中で目覚めるような感覚。
それは、徐々に痛みを侵略して、じりじりと熱く身を焦がすようになっていく。
「……まだ、痛い?」
一度離れた唇から、掠れた声が訊いて来た。それに潤んだ瞳で頷けば、再び重ねられる唇。
痛みは、もう、紛れてしまって感じない。
さっきまで、ちり、と少し焼けるようだった胸は、もっと焦げ付くような熱さになって、その熱は全身を覆いつくしていった。
焼け付くような熱さを帯びる心と身体。
この火傷は、何時治るのかも知れない。
ああ、本当に――性質が悪い。
(一期か二期かは考えていないけれど一応本編軸のつもり。でも何でもいいや)
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