だらだら日記
基本的に結構カオスなつれづれ日記。同人耐性のない方はご遠慮ください。
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Happy Birthday
アレルヤお誕生日おめでとう!な小話です。
アレティエが大前提です。うちのアレルヤさんはいつでもティエリア愛しちゃってます。
二期終了後、のイメージ。
(追記)
こんなテンション↑の前書きなのですが、小話自体はせつなめになっています……ご注意をば。
アレティエが大前提です。うちのアレルヤさんはいつでもティエリア愛しちゃってます。
二期終了後、のイメージ。
(追記)
こんなテンション↑の前書きなのですが、小話自体はせつなめになっています……ご注意をば。
『アレルヤ、誕生日おめでとう』
そう言って笑いながら、スメラギさんが酒の入ったグラスをこちらに勧めてくる。
『お、あんた誕生日なのか。おめでとさん』
ライルが軽く笑うその隣で、刹那がふっと口元を綻ばせ、『……おめでとう、アレルヤ』と告げてくれば、ラッセも頷きながら、『おめでとうな』言いながら彼らしく、にやりと笑っていた。
『おめでとう、アレルヤ』
『おめでとうなのです~ハプティズムさん!』
フェルトとミレイナは可愛い笑顔で、手に持っているのはケーキだろうか。
それを何だか羨ましそうに見るイアンさんがリンダさんにたしなめながら、優しい表情で『おめでとう』と二人一緒に言ってくれた。
けれど。
いない。
足りないんだ。
ここに、いて欲しい人が。
誰よりも、おめでとうと言って欲しい人が、いないんだ。
アレルヤは周りを見回した。けれど見慣れた仲間たちの中に、探している人の姿はいない。
不意にその肩を、ぽん、と叩く手があった。
はっと振り返る。
するとそこにはさっきも見た、けれどさっきとは違う笑顔を浮かべた彼の姿があった。
『おめでとうな、アレルヤ。お前、俺よりも年上になりやがったのな』
「ロックオン……」
『俺らもいるっすよ! おめでとう、アレルヤ』
『本当いい男になっちゃって。おめでとうね、アレルヤ』
『もういい年なんだからな。身体にはよく気をつけるように』
「リヒティ、クリス、モレノさん……」
懐かしい人たちの姿にアレルヤはじんわり胸が熱くなった。
彼らの姿を再び見ることが出来て嬉しい。
けれど、いない。
あの人が、いないんだ。
いくら周りを見渡しても、見つからない。見つけられない。ここにいない。
その事実にアレルヤは、胸が切なく苦しくなった。
君はどこにいるの。
どうして、いないの。
――アレルヤ……
ふ、と。
呼ぶ声が聞こえた。
柔らかい声。安らぎを与えてくれる声。求めていた声とは違うけれど、それに、アレルヤははっと気付き。
その声に『引き上げられる』ように、アレルヤは『浮上していき』――
「――アレルヤ? 大丈夫……?」
「……マリー……」
はっと目を見開いた先に、彼女の姿を見つけて。
アレルヤは自分が夢から覚めたことに気付いた。
「どうしたの……大分、うなされていたようだけれど」
心配そうな彼女の後ろには、星が輝く夜の空。月もまだ、天頂高くに浮かんでいる。
周りにはアレルヤ達と同じ旅をしている人達が、寝袋を纏い横になっており、先ほどまでその中の一人だったはずのマリーは、しかし今はアレルヤの傍で不安がる顔をしていた。
「夢……」
「夢を見たの? 悪い、夢だった?」
「違うんだ……幸せな、とても幸せな夢だった」
幸せな夢。皆に祝われる夢。今はいないあの人達までいた、とても幸せなはずの夢。
ただ、彼がいなかった。
ティエリアが、いなかった。
それを思って、自然と沈んだ表情を浮かべたアレルヤへ、元気付ける言葉をかけようと、マリーは手を伸ばして。
――ピピピピッ…………
小さな電子音に、はっと動きを止めた。
「アレルヤ、端末が鳴っているわ」
「あ……音を消し忘れてた!」
慌てて懐にしまっていた端末を取り出し、鳴り響く音を止める。
幸い疲れ切っている周囲の人を起こすことはなかったらしく、ほっと胸を撫で下ろしながら、アレルヤは画面を開いた。
「メール……?」
画面に点滅しているのは、メール着信を示すアイコン。
目に入った時刻表示は、今日になってまだ数分も経っていないことを告げていた。
メール元は見慣れないアドレス。けれど見覚えがないわけではない。
それがどこからのメールであるかは知っている。そこに、メールを送ったことはあったから。
けれど。
まさか。
不安と期待が入り混じりながら、アレルヤはメールを、開いた。
そして。
――Happy Birthday, Allelujah.
そこにあったのはたったそれだけの言葉。
短い、祝いの言葉。
発信者の名前もなく、ぶっきらぼうにすら見えるそのメールに、けれどアレルヤは。
「誕生日……覚えていて、くれて……」
そう、呟きながら、自然と笑みを浮かべていた。
このメールを送ってきた主について思い当たる名前なんて一つしかない。
ヴェーダからのメールの主なんて。
それは、さっきの夢には現れなかった、彼。
アレルヤが夢に求めていた言葉が今、現実に送られてきたのだ。
「……アレルヤ。貴方、今日が誕生日、なの……」
知らなかった、とばかりにマリーが呟いた。
おめでとう、微笑んで贈られた言葉にありがとう、とどこか上の空に頷きながら、アレルヤは泣き笑いの表情を浮かべた。
それ以上何も言えずに顔を伏せたアレルヤに、気を遣ったようにマリーは自分の寝床へと戻っていく。
ありがとう、と彼女へ繰り返し感謝の言葉を思い浮かべながら、アレルヤは端末を、開いたままのメールの文面を見て、そうして小さく、囁いた。
「ありがとう、ティエリア……」
そう言って笑いながら、スメラギさんが酒の入ったグラスをこちらに勧めてくる。
『お、あんた誕生日なのか。おめでとさん』
ライルが軽く笑うその隣で、刹那がふっと口元を綻ばせ、『……おめでとう、アレルヤ』と告げてくれば、ラッセも頷きながら、『おめでとうな』言いながら彼らしく、にやりと笑っていた。
『おめでとう、アレルヤ』
『おめでとうなのです~ハプティズムさん!』
フェルトとミレイナは可愛い笑顔で、手に持っているのはケーキだろうか。
それを何だか羨ましそうに見るイアンさんがリンダさんにたしなめながら、優しい表情で『おめでとう』と二人一緒に言ってくれた。
けれど。
いない。
足りないんだ。
ここに、いて欲しい人が。
誰よりも、おめでとうと言って欲しい人が、いないんだ。
アレルヤは周りを見回した。けれど見慣れた仲間たちの中に、探している人の姿はいない。
不意にその肩を、ぽん、と叩く手があった。
はっと振り返る。
するとそこにはさっきも見た、けれどさっきとは違う笑顔を浮かべた彼の姿があった。
『おめでとうな、アレルヤ。お前、俺よりも年上になりやがったのな』
「ロックオン……」
『俺らもいるっすよ! おめでとう、アレルヤ』
『本当いい男になっちゃって。おめでとうね、アレルヤ』
『もういい年なんだからな。身体にはよく気をつけるように』
「リヒティ、クリス、モレノさん……」
懐かしい人たちの姿にアレルヤはじんわり胸が熱くなった。
彼らの姿を再び見ることが出来て嬉しい。
けれど、いない。
あの人が、いないんだ。
いくら周りを見渡しても、見つからない。見つけられない。ここにいない。
その事実にアレルヤは、胸が切なく苦しくなった。
君はどこにいるの。
どうして、いないの。
――アレルヤ……
ふ、と。
呼ぶ声が聞こえた。
柔らかい声。安らぎを与えてくれる声。求めていた声とは違うけれど、それに、アレルヤははっと気付き。
その声に『引き上げられる』ように、アレルヤは『浮上していき』――
「――アレルヤ? 大丈夫……?」
「……マリー……」
はっと目を見開いた先に、彼女の姿を見つけて。
アレルヤは自分が夢から覚めたことに気付いた。
「どうしたの……大分、うなされていたようだけれど」
心配そうな彼女の後ろには、星が輝く夜の空。月もまだ、天頂高くに浮かんでいる。
周りにはアレルヤ達と同じ旅をしている人達が、寝袋を纏い横になっており、先ほどまでその中の一人だったはずのマリーは、しかし今はアレルヤの傍で不安がる顔をしていた。
「夢……」
「夢を見たの? 悪い、夢だった?」
「違うんだ……幸せな、とても幸せな夢だった」
幸せな夢。皆に祝われる夢。今はいないあの人達までいた、とても幸せなはずの夢。
ただ、彼がいなかった。
ティエリアが、いなかった。
それを思って、自然と沈んだ表情を浮かべたアレルヤへ、元気付ける言葉をかけようと、マリーは手を伸ばして。
――ピピピピッ…………
小さな電子音に、はっと動きを止めた。
「アレルヤ、端末が鳴っているわ」
「あ……音を消し忘れてた!」
慌てて懐にしまっていた端末を取り出し、鳴り響く音を止める。
幸い疲れ切っている周囲の人を起こすことはなかったらしく、ほっと胸を撫で下ろしながら、アレルヤは画面を開いた。
「メール……?」
画面に点滅しているのは、メール着信を示すアイコン。
目に入った時刻表示は、今日になってまだ数分も経っていないことを告げていた。
メール元は見慣れないアドレス。けれど見覚えがないわけではない。
それがどこからのメールであるかは知っている。そこに、メールを送ったことはあったから。
けれど。
まさか。
不安と期待が入り混じりながら、アレルヤはメールを、開いた。
そして。
――Happy Birthday, Allelujah.
そこにあったのはたったそれだけの言葉。
短い、祝いの言葉。
発信者の名前もなく、ぶっきらぼうにすら見えるそのメールに、けれどアレルヤは。
「誕生日……覚えていて、くれて……」
そう、呟きながら、自然と笑みを浮かべていた。
このメールを送ってきた主について思い当たる名前なんて一つしかない。
ヴェーダからのメールの主なんて。
それは、さっきの夢には現れなかった、彼。
アレルヤが夢に求めていた言葉が今、現実に送られてきたのだ。
「……アレルヤ。貴方、今日が誕生日、なの……」
知らなかった、とばかりにマリーが呟いた。
おめでとう、微笑んで贈られた言葉にありがとう、とどこか上の空に頷きながら、アレルヤは泣き笑いの表情を浮かべた。
それ以上何も言えずに顔を伏せたアレルヤに、気を遣ったようにマリーは自分の寝床へと戻っていく。
ありがとう、と彼女へ繰り返し感謝の言葉を思い浮かべながら、アレルヤは端末を、開いたままのメールの文面を見て、そうして小さく、囁いた。
「ありがとう、ティエリア……」
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