だらだら日記
基本的に結構カオスなつれづれ日記。同人耐性のない方はご遠慮ください。
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君の生に感謝を。
書かないつもりだったんですが、ワンシーンだけ、ワンシーンだけ書かせて……!
二期放映始まる前だから書ける妄想話。
捕虜になったアレルヤをティエリアが救出するようなシーンです……。
勢いだけ書いているので細かい所は気にしちゃいけない話です。
んでもってアレティエですね……。……アレティエなんです。……ティエアレにも見えます。むしろティエアレに見えます。でもアレティエのつもり。
そんな話です。
灯も灯らぬ暗い部屋だった。
そこに一人の男が、いた。
身体を動かせぬよう拘束服を着せられ、自殺を恐れての事か口元を覆う無骨な器具。
開いたドアから差し込む一筋の光に照らされて、それを目にしたティエリアは、そこで何も考える事が出来なくなった。
「アレルヤ・ハプティズム……」
その一瞬。ティエリアの頭から作戦の事が消え去った。
背後で繰り返される戦闘音も、遠くぼんやりとしたものに聞こえてくる。
何も、聞こえず、目に映るのは、彼の、姿。
無意識の内に口から零れたのは、彼を指す名前。
それに応えるように閉ざされていた瞼がぴくりと動き、ゆっくりと、瞬きが繰り返された。
乱れた黒髪の合間から見える、灰色の左目と……金の右目。
「アレルヤ」
再度の呼びかけに、彼はティエリアを見ると目を細めた。慣れぬ光が目に眩かったのやもしれぬ。
けれど確かに、彼はティエリアを、見た。
そう思った瞬間、ティエリアは彼の元に駆け寄った。
ナイフを取り出し彼の拘束を解く。彼を縛り付けるもの全てが憎かった。ここでそんな時間をかけている場合ではないと分かっているのに身体は勝手に動き、憤りのままに拘束服をぼろぼろに切り裂いていた。
そして最後に彼の口を塞ぐ拘束具に手をかける。四年振りに近く見た彼の瞳は弱いけれどまだ光を灯しており、けれど目の下にできた落ち窪んだ黒い隈は彼の受けた仕打ちがどれ程のものだったのか示しており、己の無力にティエリアは奥歯を噛み締めた。
口の拘束を解く。口の覆いを解かれた彼は咳き込み、大きく呼吸を繰り返しながら、何かを、言おうと、していた。
「――エ、リア」
四年振りに聞く彼の声は、低く掠れたものだった。
それに堪えきれず、ティエリアは、彼に喰らいつくように、口付けた。
激しく、ようやく自由になった彼の呼吸を奪う位に。
口中を貪ると、アレルヤは弱々しくだけれども確かにそれに応えてくる。
頭の中の冷静な自分はこの行為を愚かなものだと告げていたけれど。
それでも、感情の激流を止める事はできなかった。
唇を離し、己の腕の中にいる力無い愛し人を強く抱き締めながら、ティエリアは激しく憤り。
それと同時に、ただ、ただ。
――生きていてくれてありがとう、と。
――君の生に、感謝を。
迫る戦闘音、タイムリミット。
けれど、もう少しだけこうしてその確かな温もりを感じさせて欲しいと、ティエリアは心の中に小さく願った。
(ティエアレに見えますがアレティエのつもりですがもはやどっちでもいいです)