だらだら日記
基本的に結構カオスなつれづれ日記。同人耐性のない方はご遠慮ください。
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円風の日!
今日も残り一時間と言うところではっと気付いて滑り込み小話更新です!
円風バンザイ!
何かとりあえずちゅーしてる話です。ちゅーさせたかっただけかもしれないです。
こないだ書いた豪鬼の日小話とちょっとだけ対になってるような感じがしないでもなくもないのは気のせいじゃないかもしれません。
「そういや、風丸って何で前髪伸ばしてるんだっけ」
「……お前、この状況で聞いてくるか?」
この状況。顔と顔とを近付けて、もう少しで唇がくっつきそうな距離で、もう目測も必要ないから瞳も閉じて、ただ期待と覚悟を胸にその瞬間を待って――その、ほんのちょっとだけ寸前で、何も今、と思わないでいられないタイミングで口を開いた円堂に、風丸は呆れて肩を落とした。
さっきまでのキスへと向かう雰囲気も崩れたため目も開けて顔を上げると、円堂の純粋な疑問の目とぶつかる。
その片手は、風丸のちょうど左目を覆う長さの前髪を手遊びに梳きながら、その理由を再度問うて来た。
「あ、悪い。いやでもずっと思ってたんだけどさ、邪魔じゃないか?」
「んー、もう慣れたからな、不自由はないさ」
「で、何で?」
「……言わない」
「へ?」
「知りたきゃ、当ててみな」
「えー?」
「ていうか、何で今更そんなこと聞いて来るんだよ」
「んー……ま、いっか」
「いいのか……」
「ああ、それよりさ」
そう言うと、もう一度仕切り直し。髪を梳いていた手はそのまま頬を引き寄せてきて、仕方ないな、風丸はさっきみたいに目を閉じて、今度こそ確かに唇に触れていく感触を、受け止めて。
もう、何度目だろう。いちいち数えるほど少ない回数でもないし、かと言ってそんなに何回も何回も重ねてきたわけでもない。だから、これはいつでもどきどきしてしまう行為で。
だから、さっきの小さな質問は、最中にすっかり忘れてしまいそうになる。
薄く、瞳を開いてみれば乱された前髪越しに円堂と目が合う。目を閉じていない。自分だけ見られていた、思うと気恥ずかしくて、風丸は再び目を閉じた。
キスの最中、別にいつも目を開けているわけじゃないけれど、今日は何となく、ずっと風丸を見ていたかった、それだけだ。
その前髪全部を掻き分けてしまいたい衝動に駆られて、でもそんな自分に戸惑いながら、躊躇うように円堂の右手は髪の筋を弄り続けた。
風丸の顔の左半分を覆い隠す長い前髪は、いつから伸ばしているものだろうか。物心ついたころには既にそうだったような気もするし、それよりも後のような気もする。
それはその綺麗な面立ちを顔半分隠してしまうもので、前からずっともったいない、と思っていたけれど。
けれど、今になって思えば、それがいつでも誰の目にでも触れるようになってしまうのももったいない、気がする。
前髪に隠れないその顔を、別に自分だけが知っている、わけでもないのだけれど。
それでも、誰にも見せたくないような、そう思ってしまう自分が不思議だった。
こんなこと、前は思わなかったのに。
「……さっきから何考えてるんだよ」
息継ぎのために唇を離しながら、咎めるような囁き声が聞こえてはっとした。
小さく口を尖らせているその顔が少し赤いのは照れか怒りか、はたまた酸素不足か。
ごめん、謝るよりも先に、今度は風丸から唇を重ねられて、噛み付かれるような勢いのそれに、さっきまでの戸惑いも何も吹き飛ばされて、そのまま手にかかる前髪を全て掻き分けてる。
すると、顔に当たる空気の変化に驚き、目を見開いた彼の顔はいつもよりあどけなく見えるて、円堂はその深い色の瞳に笑いかけて、ぼそっと呟いた。
「オレだけが知ってるんならいいのにって」
「は?」
「……やっぱ、何でもない!」
自分でも胸にぐるぐる渦巻く感情は分からない。
だから誤魔化すようにそのまま左の目蓋にキスをして、くすぐったい、と笑われて、じゃれるようにしながら、また、もう一度、キスをした。
(独占欲、そんな言葉、まだ知らなくて。)
(……ごめんなさい こっぱずかしい ごめんなさい 砂吐いてきます)
(何を書きたくて書き始めてどこに落ち着いたんだかちょっと見えないのでとりあえずグラウンド十周してきますね!)