だらだら日記
基本的に結構カオスなつれづれ日記。同人耐性のない方はご遠慮ください。
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届かない言葉(ティアクラ)
一個下の記事と同じタイトルですが、中身は別物です。
単にこのフレーズが気に入りなだけです。
ということで、今日は突発的に、ティアクラから、ディルシス……というかディル←シスの欠片です。
以前から頭にあった話の、最初の部分だけを書き落としておきます。
だので続きそうな気もしますが続きを書くかは不明です。
ぶっちゃけ、ディルク関係で大きなネタバレしてますのでご注意ください。
ゲームクリア後の話です。シスカ視点。
花咲く丘を、風が吹き過ぎていった。
爽やかな風。花の季節。
一つの墓標を前にして、シスカは静かに微笑んだ。
「久しぶりね、ディルクちゃん。今日は、私が一番最後かしら」
言いながら、白い大輪の花の横に淡い黄色の花を置いた。他にも様々な花々が、まるで絨毯のようにそこに置かれて行っていた。
村の皆や、知り合いの皆が訪れて置いていった、花。
一面のそれは彼がどんなに人に慕われていたのかを示すもの。
「……綺麗な、お花よね。ねえ。今年も、畑は豊作だったし、タイガちゃんたちも一生懸命頑張っていて、ここら辺は本当に、平和」
そう、ただ穏やかな日々が過ぎていく。皆と、共に、笑いと、共に。
――貴方はもう、いないけれど。
「ねえ、ディルクちゃん。村の皆は、貴方のことをよくやったって言うわ。けれど、父さんは時々、別のことを言うの。タイガちゃんやリウちゃんも、マリカちゃんやジェイルちゃんだって」
それに、私だって。
少しだけ、つきりと切なさに痛んだ胸で。
小さく、小さく、口の中だけで。
「――ディルクちゃんの、馬鹿」
呟き、顔を上げた。空を、見る。
いつか一緒に見上げた、空。
けれど今は一人見る空。
一人ぼっちで。一緒にいなくて。
「……本当に、お馬鹿さんよねぇ……」
言いながら、目を瞑る。
年々に思い出せなくなる貴方の顔。
つう、と頬を伝った雫が唇に塩辛くって。
歌を送ることも出来なくて。
ぎゅっと、強く、噛み締めた。
爽やかな風。花の季節。
一つの墓標を前にして、シスカは静かに微笑んだ。
「久しぶりね、ディルクちゃん。今日は、私が一番最後かしら」
言いながら、白い大輪の花の横に淡い黄色の花を置いた。他にも様々な花々が、まるで絨毯のようにそこに置かれて行っていた。
村の皆や、知り合いの皆が訪れて置いていった、花。
一面のそれは彼がどんなに人に慕われていたのかを示すもの。
「……綺麗な、お花よね。ねえ。今年も、畑は豊作だったし、タイガちゃんたちも一生懸命頑張っていて、ここら辺は本当に、平和」
そう、ただ穏やかな日々が過ぎていく。皆と、共に、笑いと、共に。
――貴方はもう、いないけれど。
「ねえ、ディルクちゃん。村の皆は、貴方のことをよくやったって言うわ。けれど、父さんは時々、別のことを言うの。タイガちゃんやリウちゃんも、マリカちゃんやジェイルちゃんだって」
それに、私だって。
少しだけ、つきりと切なさに痛んだ胸で。
小さく、小さく、口の中だけで。
「――ディルクちゃんの、馬鹿」
呟き、顔を上げた。空を、見る。
いつか一緒に見上げた、空。
けれど今は一人見る空。
一人ぼっちで。一緒にいなくて。
「……本当に、お馬鹿さんよねぇ……」
言いながら、目を瞑る。
年々に思い出せなくなる貴方の顔。
つう、と頬を伝った雫が唇に塩辛くって。
歌を送ることも出来なくて。
ぎゅっと、強く、噛み締めた。
――届かない 言葉
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